研究分担者 |
中村 博昭 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (60217883)
河澄 響也 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (30214646)
松本 幸夫 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (20011637)
森吉 仁志 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (00239708)
村上 順 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90157751)
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研究概要 |
本研究では,曲面の写像類群とリーマン面のモジュライ空間の幾何学について,前年度に引き続き主として位相幾何学の立場からの研究をおこなった.得られた成果を具体的に記すと,つぎのようになる. 1.曲面の写像類群の有理係数のコホモロジー代数において,Mumford-Morita類達が生成する部分代数をtautological代数と呼ぶ.このtautological代数の位相的研究には大きく言って三つのアプローチがあった.第一は,分担者の河澄響矢氏の導入した一般Mumford-Morita類によるもの,第二はtrivalentグラフの不変量によるもの,そして第三はシンプレクティック群の表現論によるものである.これまでの成果を集大成する形で,これらの三つのアプローチが,互いに完全に対応していることを見い出した. 2.曲面の写像類群の二次特性類の理論の研究は,まだ始めたばかりでほとんど未知の領域である.しかし本研究において,二次特性類はすべてトレリ群のべき零完備化では捉えられない深い構造をもつことが証明できた.今後はトレリ群のsolvableあるいはsemi-simpleな構造の研究が重要になると思われる. 3.リーマン面の族について,代数幾何的および位相幾何的な研究,さらにはそれらの間の関連の研究が進んだ.とくに,シンプレクティック・ファイバー空間の特異ファイバーの回りのモノドロミーについて興味深い結果が得られた.
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