研究概要 |
4次元向きづけ可能な閉リーマン多様体の列M^4_iが断面曲率【greater than or equal】-1,直径【less than or equal】Dの下に、3次元以下,1次元以上の特異空間(アレクサンドロフ空間)Xに崩壊するとき,M^4_iの位相をXを用いて記述した.得られた具体的な結果は次の通り ・ Xが3次元のとき、M^4_i上に(固定点をもち得る)局所S^1-作用ψ_iで、軌道空間M^4_i/ψ_iがXに同相となるものが存在する。より詳しく、固定点や例外ファイバーの回りの作用に関する情報が、Xの対応する点における特異点情報によって記述可能である. ・ Xが2次元で境界をもたないとき、M^4_iはX上のS^2-束か、ザイフェルトT^2-束に同相である。後者の場合、特異トーラスファイバーの捻じれ方はXの対応する点における特異点情報によって記述可能である。 ・ Xが2次元で境界をもつ場合、M^4_iの∂Xに沿ったある分解が得られる。いろいろなケースが起こるので、この分解の記述は単純ではないが、幾つかのk次元多様体N^k(k【less than or equal】3)上のD_<4-k>-束の和として、分解が記述可能である。 ・ Xが一次元閉区間であるとき、M^4_iは境界に沿った張り合わせ、A_i∪B_iに同相である。ここで、∂A_i=∂B_iの基本群はalmost nilpotentであり、A_i,B_iは次の何れかの形である。 (1) (基本群がalmost nilpotentであるような)k-次元閉多様体N^k(k【less than or equal】3)上のD^<4-k>-束。 (2) 二つの非負曲率閉曲面Q_j,j=1,2,上のD^2-束の境界のある閉領域E_jに沿った張り合わせ。ここで、E_1〓E_2はD^3,P^2〓I,S^1×D^2,K^2〓Iのいずれかである。P^2,K^2は各々射影平面、クラインの壷を表わす。
|