研究概要 |
平成10年度から12年度までの本研究により,断面曲率が一様に下に有界で,直径が一様に上に有界な4次元閉リーマン多様体が崩壊するときの多様体の位相を,極限空間のアレクサンドロフ空間上の特異ファイバー構造により決定した.その証明の過程で,3次元,4次元の完備非負曲率をもつアレクサンドロフ空間の分類に成功した.具体的な成果は次の通り. ・極限空間が3次元のとき、崩壊多様体上に局所S^1-作用を構成した. ・極限空間が2次元で境界をもたないとき、崩壊多様体は極限空間上の球面束か、ザイフェルト・トーラス-束にあることを示した. ・極限空間が2次元で境界をもつ場合、崩壊多様体の極限空間の境界に沿った分解が得られた. ・極限空間が一次元閉区間であるとき、崩壊多様体は2個以上4個以下の円盤束たちの境界に沿った張り合わせとなることを示した. ・4次元非コンパクト非負曲率アレクサンドロフ空間に対するソウル定理を証明した. ・境界が非連結な完備非負曲率アレクサンドロフ空間に対する分解定理の証明に成功した. ・頂点数が最大のコンパクト非負曲率アレクサンドロフ空間の距離的分類が得られた.
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