研究課題/領域番号 |
10440025
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
河原田 秀夫 千葉大学, 工学部, 教授 (90010793)
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研究分担者 |
中村 正彰 日本大学, 理工学部, 助教授 (00017419)
今井 仁司 徳島大学, 工学部, 教授 (80203298)
池田 勉 龍谷大学, 理工学部, 教授 (50151296)
加古 孝 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (30012488)
田端 正久 九州大学, 大学院・数理学研究科, 教授 (30093272)
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キーワード | 数値解析 / 領域分割法 / 最適化 / 沿岸生態系 / 複雑形状 / 数学的モデル / 非線形偏微分方程式 |
研究概要 |
本研究では、まず複雑な形状を持つ境界に沿う流れをクーロンの摩擦型境界条件を課すことによって近似する手法を開発した。この手法は、地上の建造物や植生の影響を上空の大気の流れの解析に取り入れるために大変有効であることを実証した。次に、海岸に打ち寄せる波がしぶきになる現象を記述するため、相転移理論を援用したモデルを開発し、数値計算を行った。このモデルは、実際の現象をよく記述していることが確かめられた。また、ここで開発したプログラムを用いて沿岸生態系に対する環境汚染等の影響を調べるシミュレーションを行った。このシミュレーションは、砂浜の内部に生息する底生生物等に対してどのように栄養物が補給されているかというメカニズムを明らかにしつつある。今後は実験との比較を行い、漂着原油による汚染なども考慮した、より詳細な解析を行っていく計画である。また、磁気テープの製造工程において磁性材料を塗布した表面に現れるメニスカスパターンについての解析を行った。この現象は種々の要因が複雑に絡み合って発生している。今までこの現象は実験的にしか捉えられていなかったが、本研究では初めて数値的に現象を再現することに成功した。今後は数値的に得られたデータを基にして、この現象に対する数学的な解析を行ってゆく計画である。 ここに述べたような複雑な現象を数値的に研究するためには、大規模な計算が必要になる。現時点で利用可能な計算機資源を充分に活用するためには、領域分割法に代表される並列計算の技術が必要である。本研究ではこの領域分割法について深く学ぶため、この分野での第一人者であるフランスのY.Maday教授とY.Achdou教授を招いて研究会を開催し、我々が対象としているような複雑な問題に対する領域分割法の適用方法について研究した。その成果は今後各研究分担者の研究の中に生かされてゆく予定である。
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