研究分担者 |
井上 昭彦 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50168431)
合原 一幸 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (40167218)
柳川 尭 九州大学, 大学院・数理学研究科, 教授 (80029488)
松浦 真也 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手
堀田 武彦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (90222281)
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研究概要 |
昨年までに展開してきた多次元の局所的な確率過程に対する非線形情報解析と退化した流れに対するKM_2O-ランジュヴァン方程式論の応用として,非線形フィルタリングの問題を解いた.非線形フィルタリング問題とは,多次元の二つの局所的な確率過程X=(X(n);0【less than or equal】n【less than or equal】N)とY=(Y(n);0【less than or equal】n【less than or equal】N)が与えられたとき,時刻n(0【less than or equal】n【less than or equal】N)に対し,ベクトルY(n)をXの時刻nまでの過去の非線形な情報空間N^n_o(X)に射影したベクトルP_<N^n_0(X)>Y(n)を具体的に計算するアルゴリズムを求める問題である. さらに,ヒルベルト空間内の大域的な連続時間の多次元の定常流に付随する久保ノイズを超過程として構成した.これは今まで鏡映正値性を満たす一次元の連続時間あるいは離散時間の定常過程に対してのみ,久保ノイズが導され,それを揺動項とする確率微分あるいは差分方程式-KMO-ランジュヴァン方程式-が導かれてきた. 一方,大域的な[α,β,γ]-ランジュヴァン方程式でその時間発展が記述される連続時間の弱定常過程に対して,フィルタリングにおけるイノベーションの考えを用いて,局所的な方程式であるKM_2O-ランジュヴァン方程式を導いた.KM_2O-ランジュヴァン方程式に付随する特性量であるKM_2O-ランジュヴァンデータをもとのα,β,γから求めるアルゴリズムを確立した. 鏡映正値性を満たす大域的な定常過程に対し,研究分担者の井上昭彦氏は相関関数の長時間での挙動から局所的なKM_2O-ランジュヴァン方程式の散逸項に現れる偏相関関数の長時間での挙動が支配されることを精力的に調べた.さらに局所的な線形な予測誤差の長時間での挙動を調べた.
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