研究分担者 |
日野 義之 千葉大学, 理学部, 教授 (70004405)
塩谷 亘弘 東京水産大学, 水産学部, 教授 (30087415)
坪井 堅二 東京水産大学, 水産学部, 助教授 (50180047)
岩崎 克則 九州大学, 数理学研究科, 教授 (00176538)
原岡 喜重 熊本大学, 理学部, 助教授 (30208665)
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研究概要 |
平成10年度から平成12年度までの研究成果を整理し,特異積分方程式とそれにかかわる逆問題との関連を明確にするとともに,これらの手法により解かれるいくつかの逆問題に関し新しい知見を得た. 平成11年度の成果である熱伝導率同定問題や非線形振動の逆問題にかかわる非線形積分方程式の解の大域存在の理論は一般的な変換されたAbel積分方程式の既知関数と未知関数を取り替えた形の非線形積分方程式に対し適用されることがわかった.また,非一様な摩擦のある斜面の各点から定点まで滑り落ちるのに要する時間から摩擦係数を求める問題がこの積分方程式の本質を端的に表していることがわかった. 平成12年度の成果である逆分岐問題にかかわる特異乗法的Wiener-Hopf方程式の理論はErdelyi-Kober作用素をベースと見ることによりすっきりした形となり積分核に関する仮定は簡潔なものになった.さらに,数理生態学のkinetics同定問題は非線形振動の逆問題の型でモデル化すればより応用力のある形になり,かつ大域的理論構築の可能性を含むことがわかった. これらの点に関しては,研究発表の項に記載した図書(積分方程式,共立出版)に詳しく発表した.
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