研究分担者 |
日野 義之 千葉大学, 理学部, 教授 (70004405)
塩谷 亘弘 東京水産大学, 水産学部, 教授 (30087415)
坪井 堅二 東京水産大学, 水産学部, 助教授 (50180047)
岩崎 克則 九州大学, 数理学研究科, 教授 (00176538)
原岡 喜重 熊本大学, 理学部, 助教授 (30208665)
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研究概要 |
非線形性の強い逆問題のいくつかを解析する際に現れる特異積分方程式の構造を明らかにし,その応用として,いくつかの非線形逆問題を解いた。 1.時刻によって熱伝導率が変化する熱伝導体の端点での温度と熱束から熱伝導率と内部の温度を決定する問題や非線形振動の振幅と半周期の関係から非線形振動の非線形性を決定する問題の解析に必要となる非線形Abel積分方程式に対する理論を構築し,これらの逆問題に関する大域的な結果を得た。 2.逆分岐問題に動機付けされた乗法的特異Winter-Hopf作用素に対する理論の構築を行い,作用素の全射性のためには作用素のシンボルが複素平面の虚軸上に零点をもたないことが必要十分であることを示し,更に作用素の核の次元はシンボルの複素右半平面における零点の個数に一致するという結果を得た。この結果は逆分岐問題に応用されるとともに,空間拡散を考慮に入れた数理生態学モデルの非線形kineticsの決定問題に適用された。
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