研究分担者 |
今野 均 広島大学, 総合科学部, 助教授 (00291477)
清水 勇二 京都大学, 大学院・理学研究科, 講師 (80187468)
塩田 隆比呂 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20243008)
小竹 悟 信州大学, 理学部, 助教授 (40252051)
白石 潤一 東京大学, 大学院数理科学研究科, 助教授 (20272536)
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研究概要 |
本年度は楕円形量子群に関わる格子模型の自由場表示を中心に研究を行なった.共形場理論のminimal unitary模型は,2種類の異なった可積分場の理論への摂動を持つことが知られている.うちΦ_<13>摂動に対応する格子模型はABF模型のregimeIIIであり,後者に対してはLukyanov-Pugaiによる自由場表示が知られていた. 論文[3]ではΦ_<12>摂動に対応する格子模型(dilute A_L)模型の自由場表示を構成した.またABF模型のregimeIIは共形場のparafermion理論に対応する.投稿中の論文でこの格子模型の自由場表示を与えた.さらにそれを用いて格子模型の形状因子を計算し,スケール極限としてあるlocal operatorの形状因子の表示を得た.これらの模型ではすべて粒子のbound stateの生成演算子として変形Virasoro代数が現れるが,その内在的な意味はまだ不明である. 梅田は古典群及び量子群に関わる不変式論を研究した.論文[4]では50年前にTurnbullによって曖昧に言明されていた一種のCapelli型恒等式を表現論的に見直し,不変微分作用素の関係式として定式化し証明を与えた. 塩田はKP系の Baker-Akhiezer関数から作られるFredholm行列式を研究し,それがKp系のtau関数に解空間の変換群のある元を作用させたものと元のtauの比で表されることを示した.また元の解がVirasoro対称性を持つとき上のFredholm行列式が満たすVirasoro constraintsを導いた. 清水は2次元共形場理論のエネルギー運動量テンソルを,リーマン面のモジュライ空間の余接束へのハミルトン作用として再定式化した.
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