研究分担者 |
岡崎 悦明 九州工業大学, 情報工学部, 教授 (40037297)
杉田 洋 九州大学, 大学院・数理学研究院, 助教授 (50192125)
谷口 説男 九州大学, 大学院・数理学研究院, 助教授 (70155208)
会田 茂樹 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (90222455)
重川 一郎 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00127234)
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研究概要 |
確率平行移動の絶対連続性 平成11年度までに標準ガウス確率変数列の2値確率平行移動,対称3値確率平行移動の絶対連続性の必要十分条件が得られた.今年度はこれらの結果を踏まえて,いよいよ一般の正値確率平行移動の絶対連続性の研究に取り掛かった.ある種の積分評価が鍵になるらしいことが分ったが,今までのところその積分評価に成功せず足踏をしている. G測度 DooleyはG測度を「可換有限群上の確率測度で有限個の座標変換について準不変かつエルゴード的なもの」として定義し,「互いに絶対連続か特異かと言う二分定理」を証明した.しかしDooleyの論文には多くのギャップがあり正しいかどうか分らない.他方「群上の確率測度で,ある部分群について準不変かつエルゴード的なもの」については上記二分定理の成り立つことを証明した.この結果はDooleyのものを特別な場合として含む. フラクタル 平成11年度までにシルピンスキ・ガスケットをあるマルコフ連鎖のマルティン境界として表現することに成功し,次にマルティン距離のユークリッド距離との正確な比較などに成功した.今年度はさらにこのマルティン境界表現を使って木上の調和解析を読み直すことを行った. 他方別の基本フラクタル「ペンタクン」のマルティン境界表現に成功し,またアルファベット列の(フラクタルに対応する)商空間上の距離を,列空間の距離から定義することに成功した. 確率解析 今年度もまた抽象ウィーナー空間上の確率振動積分の漸近評価の研究を精力的に続け,数多くの新しい結果を得た. 他方リーマン多様体上の道の空間上での確率解析の研究で半群の交換可能性の研究,ディリクレ形式とスペクトルの研究,熱核の詳細な評価の研究などを行い多くの成果を挙げた. 測度の次元 区間上の連続函数でグラフのハウスドルフ次元が2になるようなものの例を構成した.
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