研究課題/領域番号 |
10440053
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
中尾 慎宏 九州大学, 大学院・数理学研究科, 教授 (10037278)
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研究分担者 |
柴田 良弘 早稲田大学, 理工学部, 教授 (50114088)
加藤 久子 九州大学, 大学院・数理学研究科, 教授 (00038457)
川島 秀一 九州大学, 大学院・数理学研究科, 教授 (70144631)
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キーワード | nonlinear / wave eguation / decay estimate / global solution / stability / evolution equation / dissipation / energy |
研究概要 |
代表者中尾は、非線形波動方程式のエネルギー減衰問題および大域解の存在問題を研究した。 主な結果を具体的に述べると、次のようになる。 1)Klein-Gordon型の波動方程式で、遠方でのみ働く非線形摩擦項を持つ場合について、全空間でのエネルギー減衰評価を導いた。 2)いわゆる外部問題の局所エネルギーの減衰問題は長い歴史をもっているが、星形領域の外部など制限された領域に対してしか満足な結果は得られていない。 本研究者は、星形が崩れる部分に摩擦項をつけることによって、いかなる幾何学的条件も設けずに局所エネルギーの減衰評価を導いた。 3)強い非線形性をもつ波動方程式は何らかの粘性項がなければ、大域解の存在は期待出来ない。本研究者は、およそ考え得るもっとも弱い粘性項のもとで大域解の存在証明に成功した。ここでも、解の精密な減衰評価がおおきな役割を果たしている。 4)平均曲率型の強い非線形性をもつ波動方程式が強い粘性項を持つ場合、大域解の存在と減衰については、すでに本研究者はほぼ満足する結果を得ていたが、空間次元が2の場合にはやや不本意な結果であった。(すべての多項式度より速く減衰するが、指数的ではなかった。)まだ不本意だが、空間次元2の時、ほぼ指数的であることを証明した。 分担者川島は、放射性ガスの運動を表す非線形偏微分方程式の、とくに進行波解の存在と安定性に関して、興味深い結果を導くとともに非線形反応-拡散方程式についても大域解の存在と安定性に関する結果を得た.
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