研究課題/領域番号 |
10440058
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
高野 恭一 神戸大学, 理学部, 教授 (10011678)
|
研究分担者 |
山田 泰彦 神戸大学, 自然科学研究科, 助教授 (00202383)
野海 正俊 神戸大学, 自然科学研究科, 教授 (80164672)
佐々木 武 神戸大学, 理学部, 教授 (00022682)
竹井 義次 京都大学, 数理解析研究所, 助教授 (00212019)
岩崎 克則 九州大学, 数理学研究科, 教授 (00176538)
|
キーワード | パンルヴェ方程式 / ガルニエ系 / アフィン・ワイル群対称性 / ベックルント変換群 / 初期値空間 / 完全WKB解析 / シュヴァルツ写像 / 逆分岐問題 |
研究概要 |
主なものは以下の通りである。 1.パンルヴェ方程式のアフィンWeyl群対称性:アフインWeyl群の実現としてのBacklund変換群が一般的にどのようにして得られるかという点が明確になった。現在この方面の研究は離散パンルヴェ方程式に対して行われている。 2.初期値空間:パンルヴェ方程式については、Backlund変換を座標変換とみて多様体を構成するとそれが岡本の初期値空間である。この記述は非常に便利であるので、すべての事実をこのBacklund変換による記述にもとづいて構成し直すことが求められるが、もっとも基本的な葉層構造の一様性は岡本の初期値空間についての証明と同様に示された。また高階パンルヴェ系、2変数退化ガルニエ系の初期値空間(と確信されるもの)についての知見を蓄積しつつある。 3.パンルヴェ方程式の完全WKB解析:完全WKB解析の立場から、パンルヴェ超越関数に関する大域的な接続問題の研究を行った。特に、II型のパンルヴェ関数の接続問題が、I型のパンルヴェ関数に対する接続公式を組み合わせることで解けることを示した。また、パンルヴェ方程式の雛型とも考えられる3階線型方程式に対する完全WKB解析についても考察し、その中から、解の積分表示に対する従来の最急降下法の一般化が見い出された。 4.超幾何関数:ガウスの微分方程式のパラメータがすべて純虚数のときに、シュバルツ写像の像領域がどのように構成されるかを明らかにし、その基本領域の境界が円からどれくらい歪むかを実験的に計算した。 5.逆分岐問題と特異Wiener-Hopf方程式:人口の反応拡散モデルの逆分岐問題の研究のために、特異Wiener-Hopf方程式の可解性を確立した。
|