研究課題/領域番号 |
10440060
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
仲田 均 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (40118980)
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研究分担者 |
前田 吉昭 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (40101076)
前島 信 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (90051846)
塩川 宇賢 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (00015835)
伊藤 雄二 東海大学, 教育開発研究所, 教授 (90112987)
石井 一平 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (90051929)
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キーワード | 非特異エルゴード変換 / マルコフシフト / 多重再帰性 / 形式的べき級数 |
研究概要 |
1.II_∞型エルゴード的変換の多重再帰性については特にマルコフシフトの場合についてKakutani-Parry Indexとの関係も含めてreturn sequenceとの関係で完全に分類することに成功した。この結果はJ.Aaronson and H.Nakadaによる論文の中で公表されている(Israel J.of Math.)。また、II_∞型エルゴード的変換の多重再帰性が群拡大により保存される性質であるかどうかが浜地を中心に研究され、肯定的な結果がほぼ確認されつつある。 2.cylinder flowのlocally finite invariant measureは基本変換の回転数がbounded typeの場合、ergodicなものが非可算個あることが従来知られていたが、今回の研究により従来知られていたものがそのすべてであることが証明された。さらにunbouded typeの場合でもほとんどすべてのflowについて成立することが証明された。また、von Neumann-Kakutani adding machineから作られるマハラム変換で従来知られていた結果を一般にマルコフシフトで証明することができた。特にヘルダー連続な関数をポテンシャル関数とする平衡測度の特徴付けとしてこの問題を捉えることに成功している。仲田他の論文としてまとめられている。 3.形式的べき級数の作る関数体上の連分数の基本的性質をまず調べ、それをとりまとめている(Berthe and Nakada,Expo.Math.)。これを発展させて、ディオファンタス近似の測度論的性質の研究をとりおこなった。古典的な定理のいくつかがこの場合でも成り立つことが示されている。従来この問題のディオファンタス近似の評価関数は分母多項式の次数にのみ依存している場合しか扱われていなかったが、本研究では次数に依存しない場合も扱っている。特に0-1法則、および、Duffine-Schaeffer型定理が証明されたことが重要な成果である。
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