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1999 年度 実績報告書

ISO(赤外線宇宙天文台)遠赤外線サーベイによる銀河の形成進化についての研究

研究課題

研究課題/領域番号 10440063
研究機関東京大学

研究代表者

川良 公明  東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (50292834)

研究分担者 中田 好一  東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (80011740)
吉井 譲  東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (00158388)
祖父江 義明  東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (10022667)
松原 英雄  宇宙科学研究所, 宇宙圏研究系, 助教授 (30219464)
中島 紀  国立天文台, 光学赤外線天文学観測システム研究系, 助手 (20300709)
キーワード赤外線 / 銀河 / ダスト / 星形成 / 銀河形成 / 銀河進化 / 宇宙論
研究概要

我々は、ESA(欧州宇宙機構)が1995年に打ち上げた赤外線宇宙天文台(ISO)に搭載されたISOPHOTを用いて、遠赤外線2波長(95μmと175μm)による遠赤外線深サーベイ(以下ISO遠赤外線サーベイ)を行い、予想より遥かに多くの遠赤外線源を発見した。地上からの追求観測により、光学同定を行い、分光観測によって遠赤外線源の赤方偏移を測定することは緊急の開題である。本研究の目的は、次のことを行うことであった。
1 ISO遠赤外線サーベイのデータ解析を精密に行い、信頼性の高い遠赤外線源のカタログを作成し地上からの追求観測の基礎とする。更に、遠赤外線源の計数をモデルと比較することで銀河の形成進化の研究を行う。
2 地上から追求観測を行い、遠赤外線源の赤方偏移を測定する。
3 CCD撮像システムを製作し、欧州遠赤外線広域サーベイ領域のCCD撮像観測を行う。
本研究の成果は次の通りである。
1 最新のISO校正データに基づいて、ISO遠赤外線サーベイのデータ解析を精密に行ない、信頼性の高い遠赤外線源のカタログを作成した。また、この解析から信頼性の高い遠赤外線源の計数が得られた。この結果に対してシミュレーションを行い、遠赤外線計数の完全性を評価した。以上の解析に基づき、遠赤外線源計数のモデルと比較することで、(1)赤方偏移0.5付近(約40億年前)における、星形成率は現在の100倍にも達していた、(2)この星形成率が高赤方偏移から続いているとすると、赤外線宇宙背景放射の測定結果と矛盾することから、高赤方偏移における星形成率は赤方偏移0.5付近のものより遥かに小さかったはずである、などの知見が得られた。
2 岡山観測所1.8m望遠鏡による分光観測、VLA(アメリカ電波干渉計)による電波観測、野辺山45m望遠鏡、IRAM30m望遠鏡、カルテク10mサブミリ波望遠鏡によるミリ波サブミリ波観測を行った。VLAによる観測は大成功であり、遠赤外線源の正確な位置が判明した。これにより、地上からの追求観測が急速に進展することが期待される。
3 CCD撮像システムはほぼ完成し、オーストラリアのアングロオーストラリアン天文台のUKシュミット望遠鏡に取りつけて観測を行う準備はほとんど完成した。来年度4月には第1回目の観測を行う予定である。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Kawara,K.: "ISO deep far-infrared survey in the "Lockman Hole""Astronomy and Astrophysics. 336. L9-L12 (1998)

  • [文献書誌] Barger,A.J.: "Submillimetre-wavelength detection of dusty star-forming galaxies at high redshift"Nature. 394. 248-251 (1998)

  • [文献書誌] Mouri,H.: "Mid-infrared spectroscopy of obscured IRAS galaxies"Astronomy and Astrophysics. 334. 482-488 (1998)

  • [文献書誌] Mouri,H.: "Excitation Mechanism of Near-Infrared FE II Emission in seyfert and Starburst Galaxies"Astrophysics Journal. 528. 186-200 (1999)

  • [文献書誌] Yoshii,Y.: "Age Dating of a High-Redshift QSO B1422+231 at Z=3.62and Its Cosmological Implications"Astrophysics Journal. 507. 113-116 (1998)

  • [文献書誌] Sato,S.: "A mid-infrared deep galaxy survey in the SSA13 field"ESA-SP. 427. 1055-1057 (1999)

  • [文献書誌] Kawara,K.: "ISO deep far-infrared survey in the Lockman Hole"ESA-SP. 427. 1017-1018 (1999)

  • [文献書誌] Hatsuhara,H.: "A study of the spatial fluctuations of FIR brightness in the Lockman Hole"ESA-SP. 427. 1045-1048 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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