| 研究課題/領域番号 |
10440064
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| 研究機関 | 鹿児島大学 |
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研究代表者 |
西尾 正則 鹿児島大学, 理学部, 助教授 (70135383)
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| 研究分担者 |
川口 則幸 国立天文台, 地球回転研究系, 教授 (90214618)
宮崎 智行 鹿児島大学, 工学部, 教授 (80037241)
面高 俊宏 鹿児島大学, 理学部, 教授 (50129285)
笹尾 哲夫 国立天文台, 地球回転研究系, 教授 (20000177)
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| キーワード | VLBI / 実時間処理 / 公衆通信回線 / データ圧縮 / 通信衛星電波 / 水メーザー天体 / 大気の電波伝播遅延時間変動 / 実時間故障診断 |
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| 研究概要 |
今年度は、本研究で提案する装置の性能を評価するための試作機を完成させ、鹿児島6m電波望遠鏡(鹿児島市)および水沢10m電波望遠鏡(岩手県水沢市)に取り付けて、19GHz帯の静止衛星ビーコン波の受信実験を行った。アンテナ間の距離は約1300kmである。
試作した装置は、各VLBI局の受信機出力端子に取り付ける部分(アンテナユニット)2組と各アンテナユニットから送られてきたデータに対し相互相関処理を行う部分(相関ユニット)1組で構成されている。アンテナユニットと相関ユニット間のデータ転送には電話回線を使った。データ伝送には、5μ秒程度の精度で時刻同期をとったデータのかたまり(セル)を作成し、これをFTPで送る方式をとっている。これにより、電話回線やISDN回線のように通信経路が各接続ごとに変化しても時間遅れの変動を追随できるようにしている。
試作機による受信実験の結果、
1.受信信号を低速の通信回線で伝送できるように加工しても、相互相関処理結果が正しく得られた
2.相互相関処理結果からVLBI受信装置の動作状態の診断が可能であることがわかった
3.相関結果の位相情報の時間変化から、地球大気中での電波の擾乱状態の診断法の確立に目処が立った
以上の結果は、電子情報通信学会全国大会、日本天文学会年会、IEEE Remot Sensing and Geoscience Tokyo Chapterの研究会で発表した。また、4月のSPIE(光工学国際学会)の国際会議、8月ISAP(アンテナと伝播の国際シンポジューム)に発表予定であり、電子情報通信学会に論文を投稿中である。
今後(最終年度)行うべきこととして、
1.観測数を増やし、本研究で提案する装置が地球大気中での電波の擾乱状態の診断にどの程度有効か統計的に調査する
2.自動運転が行なえるように装置を改良する
3.水メーザー天体からの狭帯域電波放射の実時間VLBI観測実験とそれによるVLBI装置の自己診断、および大気擾乱状態の診断の可能性を調査する
を予定している。
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