研究課題/領域番号 |
10440067
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
笠木 治郎太 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10016181)
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研究分担者 |
今野 収 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90004449)
山崎 寛仁 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90260413)
寺沢 辰生 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (40004436)
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キーワード | S_<11>共鳴 / 核内核子共鳴 / ^<12>C(γ,η)反応 / η中間子生成断面積 / Quantum Molecular Dynamics / Tagged Photon |
研究概要 |
1. 原子核中でのS_<11>(1535)共鳴の性質を調べるため、旧東大核研の電子シンクロトロンで行われた^<12>C(γ,η)反応実験のデータ解析が進行し、γ線のエネルギー650MeVから1GeVにわたって、η生成反応断面積のエネルギー依存性が得られた。反応断面積は900MeV付近にピークを持つ幅広い共鳴状態の存在を初めて明かにした。 2. S_<11>共鳴のパラメータを求めるため、Quantum Molecular Dynamicsに基づく計算プログラムを整備した。計算と実験データを比較した結果、C原子核中でのS_<11>共鳴は、エネルギー、幅とも真空中より大きくなっている可能性のあることが判った。 3. 東北大学理学研究科原子核理学研究施設のSTBリング内周回電子を用いてGeV領域での単色γ線実験を可能にするため、光子標識化装置の建設が進行した。出し入れ可能なラヂエーターの設計と製作が終了し、双極電磁石用真空チャンバーのテストをまっている段階となった。5mm幅のプラスチックシンチレータと光ファイバーによる電子線位置測定系の光学的なテストが完了し、シンチレータの発光を3mのファイバーを通じて光電子増倍管で検出できることが確かめられた。 4. STBリングの1.2GeV電子周回のテストが予定より遅れているため、今年度予定していた光子標識化装置のリングへの組み込みはまだ行われていないが、来年度前半には、リングに組み込みγ線ビームコースの整備が始められる予定である。
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