研究概要 |
東北大学原子核理学研究施設のSTBリングからの標識付GeVγ線発生装置が完成し、γ線ビームの性能向上に取り組んだ。その結果、光子エネルギー;0.6〜1.1GeV、エネルギー幅;6MeV、光子強度;10^7/sec、ターゲット位置でのビームサイズ;20mm直径、デューティファクター;80%以上の光子ビームが使用可能になった。電子対生成を利用した光子エネルギーの較正のため、ペアマグネットとドリフトチャンバーの整備を行い、標識化検出器のエネルギー較正曲線を得た。 多重CsI検出器システム(SCISSORS)の開発に取り組み、原子核理学研究施設第2実験室に、200本以上のCsI結晶シンチレータからなるSCISSORSを設置し、上記のγ線ビームを用いて、系の性能テストとエネルギー較正を行った。 0.6〜1.1GeVの標識化γ線を用いて、C,Al,Cuの原子核を標的にした(γ,η)反応の測定が実行された。これまで、我々が旧東大核研のESで測定したデータよりも遥かに統計精度のよいデータが取得され、現在、解析が進行中である。 素過程H(γ,η)反応を測定するために、固体水素標的の開発を行った。その結果、30x30x40(mm^3)の大きさの固体水素を作ることに成功し、実際にγ線ビームに照射して、(γ,η)反応の予備的な測定を行った。
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