研究分担者 |
加藤 静吾 山形大学, 理学部, 教授 (70013422)
志田 嘉次郎 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (30013428)
石原 正泰 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (40013396)
梶野 敏貴 国立天文台, 理論部, 助教授 (20169444)
本林 透 立教大学, 理学部, 教授 (20116114)
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研究概要 |
宇宙における水素の爆発的元素合成過程(rp-過程)の始まりを決定づける反応連鎖は、新星などの条件では、^<15>O(α,γ)^<19>Ne(p,γ)^<20>Na...と考えられる。本研究では、特に、^<19>Neのα閾値近傍の準位を鏡像反応、^<20>Ne(d,t)(d,^3He)反応を用いて調べた。閾値近傍の鏡像準位の分光学因子が求まり、準位の対応が明らかになった。 rp一過程の典型的状況である新星における^<22>Naの生成量は、ラインガンマ線観測や隕石の同位体異常の問題で重要な課題であるが、これに直接関わる一反応として、^<21>Na(p,γ)^<22>Mg天体核反応がある。これを調べるために、^<22>Mgの陽子閾値近傍を^<22>Mg(p,t)^<22>Mg反応を使って調べた。新たに複数の陽子共鳴準位を発見した。この準位の性質を更に調べるために、同反応の角度分布測定も行った。 また、高温のrp-過程における初期の爆発連鎖の新しい可能性を実験的に調べるために、^<18>Ne+p の共鳴状態を^<18>Ne短寿命核ビームを使って調べた。^<18>Ne ビームは、当研究センターのサイクロトロンから得られる陽子ビームとKEKの短寿命核ビーム生成分離加速装置を使って生成した。核子あたり1MeVの高純度ビームの強度が低いことから、弾性散乱を観測するにとどまった。これは、ISOL型の短寿命核ビーム施設からのビームを使った実験としては、日本で始めての試みであった。 一方、本研究における継続の課題である^<22>Mg(p,γ)^<23>Al天体核反応の研究を、理研の高分解能磁気分析器SMARTを用いて行うためのテスト実験を行った。
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