研究分担者 |
本林 透 立教大学, 理学部, 教授 (20116114)
浜垣 秀樹 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (90114610)
寺西 高 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (10323495)
梶野 敏貴 国立天文台, 理論部, 教授 (20169444)
加藤 静吾 山形大学, 理学部, 教授 (70013422)
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研究概要 |
(1)新黒爆発開始の鍵反応^<15>O(α,γ)^<19>Neで重要な状態とされる4.033-MeV準位の性質を荷電対称反応(d,t)及び(d,^3He)を使って調べた。角度分布のDWBA解析から、J^π=3/2^+、S=0.033ということが判り、5p-2hという特異な構造を持つ可能性が判明した。また、この準位のα分岐比の測定を試みたが、バックグランドに埋もれて観測されなかった。この事から、この状態のα幅は極端に小さく、約100μeV以下であると推定された。(2)高温rP-過程開始の重要反応である^<14>O(α,p)^<17>Fの鍵となる^<18>Neの閾値近傍の構造を^<20>Ne(p,t)反応を使って調べ、準位の幅やスピンの決定等を行った。(3)NeE問題と^<22>Naガンマ線観測に関わる天体核反応^<21>Na(p,γ)^<22>Mgを調べた。^<24>Mg(p,t)反応の測定により、^<22>Mg核の陽子閾値近傍準位の励起エネルギーを2-3KeVの精度で決定した。また、新星の有効温度領域に複数の共鳴準位を発見した。これらは、シナリオにかなりの影響を及ぼすものと考えられる。(4)漸近係数(ANC)法の中性子捕獲反応への有効性について、初めての検証実験を行った。^<12>C(d : p)^<13>C反応から低エネルギー(n,γ)反応の断面積を導出し、実験の(n,γ)反応断面積を約8%の範囲で再現した。したがって、ANC法は、約±10%の不確かさで使えることが分かった。(5)高分解能磁気分析器(PA)用重イオン用焦点面検出器の開発を行った。大型のS-i検出器を導入し、粒子識別能の向上とともに、質量数16付近までの粒子識別能が得られた。(6)爆発的元素合成過程の直接的実験研究のための低エネルギー二次ビーム生成分離器開発と実験検出器の開発を進めた。また、関連の各種モニターや、実験用検出器の整備なども行った。(7)新星における水素の爆発的元素合成過程の理論的解析を行った。実験で得られた核反応率を使い、新星模型のシミュレーションを行い、生成される元素比を調べた。この計算から、各陽子過剰核の役割と実験で解明すべき反応過程を明らかにした。
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