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1999 年度 実績報告書

太陽ニュートリノによるニュートリノ質量の研究

研究課題

研究課題/領域番号 10440071
研究機関東京大学

研究代表者

中畑 雅行  東京大学, 宇宙線研究所, 助教授 (70192672)

研究分担者 井上 邦雄  東北大学, 理学部, 助教授 (10242166)
福田 善之  東京大学, 宇宙線研究所, 助手 (40272520)
鈴木 洋一郎  東京大学, 宇宙線研究所, 教授 (70144425)
三浦 真  東京大学, 宇宙線研究所, 助手 (10272519)
竹内 康雄  東京大学, 宇宙線研究所, 助手 (60272522)
キーワードニュートリノ / 太陽ニュートリノ / スーパーカミオカンデ / ニュートリノ振動
研究概要

本年度は、スーパーカミオカンデが取得した825日分のデータを解析し、電子ニュートリノの質量の存在について、ニュートリノ振動を調べることによって研究した。電子ニュートリノが太陽で生まれてから地球に届くまでの間に振動したとすると(1)観測される強度が予想値に比べて小さくみえる、(2)昼と夜とで観測される強度が異なる、(3)ニュートリノのエネルギー分布が期待される形から歪む、といったことが期待される。本年度は、そのために低エネルギー領域のバックグランド源の探索、実験装置のエネルギー較正のさらなる精密化を行った。バックグラウンド源については、純水装置から供給されるラドン量について定量的な評価を行い、改良すべき箇所を見いだした。装置の改良は近いうちに行う予定であり、それが成功すればエネルギーしきい値を現状の5.5MeVから5.0-4.5MeVまで下げられるはずである。エネルギー較正については、電子LINAC を用いた方法と中性子発生装置によりN16原子核を作り、そのベータ線を用いた方法とで比較を行い、両者の方法は0.5%の精度で一致し、エネルギー絶対値が高い精度で較正されていることが示された。825日分のデータ解析の結果、測定された強度は標準太陽モデルの47%であった。この結果は、ニュートリノ振動を示唆しているが、太陽モデルの不確定性を考えると確実な証拠とは言えない。昼と夜との強度の違いについては、夜の方が昼に比べて 6.5%±3.4%大きいという結果であった。統計的には特に有意に違いがあるとは言えないが、今後もしこの値の有意性が上がればニュートリノ振動の確実な証拠となる。エネルギー分布については、予想される形との違いは11.2%の統計的有意性で一致しており、特に歪みがあるとはいえない。本年の研究により、エネルギー較正による系統誤差を減らすことができたので、統計が増えれば有意な結果を引き出すことができるかもしれない。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] M.Nakamura et al.: "Calibration of Super-Kamiokande using an electron LINAC"Nuclear Instruments and Methods. A421. 113-129 (1999)

  • [文献書誌] Y.Takeuchi et al.: "Development of high sensitivity radon detectors"Nuclear Instruments and Methods. A421. 334-341 (1999)

  • [文献書誌] Y.Fukuda et al.: "Constraionts on neutrino oscillation parameters from the measurement of day night solar neutrino fluxes at Super-Kamiokande"Phys.Rev.Lett.. 82. 1810-1814 (1999)

  • [文献書誌] Y.Fukuda et al.: "Measurement of the solar neutrino energy spectrum using neut.rino electron scatterings"Phys.Rev.Lett.. 82. 2430-2434 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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