研究課題/領域番号 |
10440075
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
磯山 悟朗 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (80125989)
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研究分担者 |
加藤 龍好 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (20273708)
奥田 修一 大阪大学, 産業科学研究所, 講師 (00142175)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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キーワード | SASE / FEL / 遠赤外 / ライナック / 単一通過 / 高増幅率 |
研究概要 |
最大電荷量91nCの単バンチ電子ビームを加速できる阪大産研Lバンド電子ライナックを用いて、X線レーザーを実現する有力な候補と期待されているSASE(Self-Amplified Spontaneous Emission)の赤外領域での研究を行なった。ライナックで加速された単バンチ電子ビームの特性を広いエネルギー範囲にわたり測定した。電子ビームエネルギーが11-32MeVの範囲で、相対的なエネルギー広がりは1.1-4%、バンチあたりの電荷量20nC以上、バンチ長20-30ps、規格化エミッタンス150-250πmm mradという値が得られた。このビームパラメターを用いて予想される特性をSASEの1次元模型に基づいた理論で評価した。電子エネルギー11MeVでウイグラーのK値が1.47の時、FELパラメターは0.022であり、ゲイン長は0.128mである。この1次元模型理論が適用できるための電子ビーム特性に対する条件は、ピーク電流が1kAでエネルギーが20MeV以下の時に満足されることが分かった。エネルギー12.6MeVの電子ビームが、周期長6cmで周期数32のウイグラーを通過する時に放射される強い光をウイグラーのK値の関数として測定した。測定した光のピークパワーは、1Wから1kWまで3桁増大した。ピークパワーのK値依存性はSASEの1次元モデルと良く一致するので、観測した光をSASEによるものと結論した。回折格子分光器を用いて80から180μmの波長範囲でSASEの波長スペクトルを初めて測定した。SASE基本波の波長幅は2-3%であり、1次元模型理論の2.2-2.3%より幾分広がっている。またSASEの基本波の発展による2次高調波の発生をはじめて実験的に観測した。我々はSASEの特性を初めて実験で定量的に測定している。得られた結果を3次元FELシミュレーションコードを用いて解析している。
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