研究課題/領域番号 |
10440077
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
森信 俊平 九州大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50016078)
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研究分担者 |
池田 伸夫 九州大学, 大学院・理学研究科, 助手 (70193208)
杉光 強 九州大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70037216)
相良 建至 九州大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (00128026)
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キーワード | 天体核反応 / He燃焼 / ^<12>C+α / 反跳核質量分析 / γ線角度分布 / 加速器開発 |
研究概要 |
本研究課題の目的は、^<12>Cビームを用い、^<12>C+α→^<16>O+γの低エネルギー反応率を^<16>Oを分離検出して確定するものである。平成11年度においては、前年度に続き、必要な加速器の開発整備及び機器の調整を継続しながら、^<16>O分離検出系の準備を進めた。 1.ビーム強度向上に向けたタンデム加速器の整備 (1)強収斂加速法の実施:前年度実験的に有効性を確認した新加速法の実用化を図った。加速器内放電防止対策等の改良により、安定した新加速法の実施が可能となった。 (2)ガス電荷ストリッパーの実装:ビームエネルギー幅の最小化のため、気体電荷剥離装置を開発し加速器に実装した。加速器内の極端条件の克服に予想外の時間を要した。現在、改良と調整を行っている。 (3)ビームパルス化:高周波電界によるパルス化漏れビームの除去装置を設置した。テストを近く開始する。 (4)ビーム特性の調査:ビーム特性を実験的に調査した。加速器からビームの輸送方法により、ビーム角度の広がり、散乱ビームの分離が大きく影響されることが確認され、現在その最適化を検討している。 2.反跳核質量分析器の整備 (1)分析器の調整:分析器のイオン光学特性を実験的に究明し、設計通りの特性を実現するための電磁石、電極等の運転パラメーターを確定した。 (2)バックグラウンドの最小化と対策:実際の反応観測において死活的意義を持つ、^<12>Cビームに付随するバックグラウンドの分析と原因の究明を行った。一部原因については対策を講じたが、分析器の改造を要するものもあり、苦慮している。検出系による回避方法、ビーム輸送法による影響最小化等を検討している。 3.検出法の検討 (1)検出器の選択:上記2.(3)の結果から、検出系にはエネルギー分解能を重視する事が必要と結論され、TOFの利用と検出器自身のエネルギー分解能の利用の両面で、検出系を準備している。また、^<16>O(^<13>C,^<12>C)^<17>O反応を用いて、本研究のγ線反跳効果の測定によるE1/E2比決定の有効性を実証した。
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