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1999 年度 実績報告書

アレイ型アバランシェフォトダイオードによるシンチレーティングファイバーの読み出し

研究課題

研究課題/領域番号 10440078
研究機関大阪市立大学

研究代表者

吉田 拓生  大阪市立大学, 理学部, 助教授 (30220651)

研究分担者 奥沢 徹  大阪市立大学, 理学部, 教授 (60047397)
キーワードアバランシェ フォトダイオード / シンチレーティングファイバー / 荷電粒子検出器
研究概要

今年度得られた主な成果は次の3点である。(1)昨年製作したアレイ型アバランシェフォトダイオード(APD)中の各APD素子について2次電子増幅率などの基本特性を測定した結果、素子毎のばらつきが10%以内に収まっていて、実用に支障がないほど一様であることが分かった。(2)この型のAPDで、2m以下の種々の長さのシンチレーティング・ファイバー(直径0.75mm)に^<90>Srのβ線を照射したときの発光を読み出し、荷電粒子検出器としての性能評価を行った。その結果、APDを-40℃以下に冷却することによって、今回用いたファイバーの中で最も長い2m長のファイバーでもSN比が40以上に達し、荷電粒子検出効率は99%を上回った。このような荷電粒子検出器を実際の素粒子実験において実用に供する場合、直径0.75mm、長さ2mというファイバーのサイズは、要求される位置測定精度や測定器の大きさなどの観点から、ほとんどの実験に十分対処できるものである。しかし、今回得られた結果は、さらに長いファイバーあるいはさらに細いファイバーに対しても十分な検出効率が得られること、すなわち、この型の荷電粒子検出器が測定装置のさらなる大型化、高精度化に対応できるものであることを示唆する。(3)上記の性能評価でAPDの信号を増幅するために用いた前置増幅回路は、集積化されていない既存のものであった。しかし、本研究で目的とする荷電粒子検出器を実用化するためには、APDのアレイ化だけでなく、その信号増幅回路もAPDアレイのサイズに見合った大きさに集積化しなければならない。このため、4mm×3mm×0.6mmサイズのチップの中に高感度・低雑音の増幅回路が32個入った型の集積回路素子を用いてAPDアレイ用の前置増幅回路を作製し、増幅率の測定などを行った。その結果、APDの微弱信号を読み出すために十分な性能が得られた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] T.Okusawa, T.Yoshida, 他2名: "Readout of a scintillating-fiber array by avalanche photodiodes"Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A. 440・2. 348-354 (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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