研究課題/領域番号 |
10440080
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
徳宿 克夫 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (80207547)
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研究分担者 |
鶴貝 達政 明治学院大学, 一般教育, 助教授 (50267366)
喜多村 章一 東京都立保健科学大学, 放射線学科, 教授 (60106599)
近 匡 成蹊大学, 工学部, 講師 (90215442)
浜津 良輔 東京都立大学, 理学部, 助教授 (20087092)
山田 作衛 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 所長 (70011658)
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キーワード | 電子・陽子衝突 / HERA / 超対称性模型 / 標準模型 / W粒子 / トリガー回路 |
研究概要 |
ドイツDESY研究所の衝突型加速器HERAにおいて実現できる超高エネルギー電子・陽子散乱反応において、高い横方向運動量(pt)を持ったレプトン生成過程を実験と理論の両面から検討し、新現象の探索を進めることがこの研究の目的である。 初年度である今年度は、理論計算とシミュレーション開発の各担当者にワークステーションを配置し、必要となるソフトウェアの移植を行い、研究準備を整えた。 研究の方向性を定めるために、同様の研究を行っている英国のグループと6月と10月に会合を開いて議論を行った。理論的側面では、HERAの測定で観測された中性流反応の超過がRパリティ保存を破った超対称性粒子による場合に、その他の終状態でも兆候が見えることを指摘した。特に、高いptの荷電レプトンとニュートリノへの崩壊、および光子とグラビティーノへの崩壊の可能性を検討した。 HERAの実験の解析からは、標準の超対称性模型で予言される超対称粒子の探索を行い、論文として発表した。高いptレプトンの生成に関する解析もほぼ終了し、現在投稿論文を準備している。解析結果を標準模型でのW粒子生成反応断面積と比較し、統計の範囲内で一致していることが確認できた。 より高い感度でレプトン生成事象を捕らえるため、実験におけるトリガー回路の整備を行った。ニュートリノ生成反応の選別効率をあげるため、バックグラウンド事象構造を研究し、それを排除する論理を提案した。ミューオン生成の検出効率を上げるために、新しいトリガー回路の設計に着手し、試作用の主要部品を購入した。
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