研究課題/領域番号 |
10440083
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研究機関 | 国立天文台 |
研究代表者 |
川村 靜児 国立天文台, 位置天文・天体力学研究系, 助教授 (40301725)
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研究分担者 |
山崎 利孝 国立天文台, 位置天文・天体力学研究系, 助手 (90182485)
高橋 竜太郎 国立天文台, 位置天文・天体力学研究系, 助手 (60270451)
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キーワード | 重力波 / レゾナント・サイドバンド・エクストラクション / TAMA計画 |
研究概要 |
現在、世界各国でレーザー干渉計を用いた重力波検出プロジェクトが進んでいる。日本のTAMA計画、アメリカのLIGO計画、フランス・イタリアのVIRGO計画、ドイツ・イギリスのGEO計画などが主なものであり、数年後には人類初の重力波検出がなされる可能性もある。しかし、将来この分野を重力波天文学にまで高めていくためには、検出器のより一層の感度の向上が必要である。そこで、本研究では、狭帯域ながら感度の改善を可能にする、レゾナント・サイドバンド・エクストラクション干渉計の基礎実験を行なってきた。 本年度は、前年度に開発した新しい信号取得方法を用いて、レゾナント・サイドバンド・エクストラクション干渉計の動作確認に成功した。従来レゾナント・サイドバンド・エクストラクション法においては、複雑な多変調を用いた信号取得が試みられてきたが、本研究では、単一変調方式が用いられ、よりシンプルで信頼性の高い信号取得方法を実現し、単一変調方式の有用性を証明した。また従来行なわれてきたテーブルトップ実験とは違い、一本腕の真空装置と超小型の簡易型サスペンションシステムを用いて実験を行なうことにより、テーブルトップ実験の簡便さを損なわぬまま、より現実の重力波アンテナに近いかたちで実験を行なうことに成功した。 さらに信号取得の純度を改善するため、3倍波を用いた復調法を新たに考案し、その正当性を理論とシミュレーションにより確認した。この方式の実験による確認は来年度以降行なわれる予定である。
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