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1999 年度 実績報告書

固体表面における水素のオルソーパラ転換機構の解明と新しい表面スピン測定法への応用

研究課題

研究課題/領域番号 10440086
研究機関東京大学

研究代表者

福谷 克之  東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (10228900)

研究分担者 常行 真司  東京大学, 物性研究所, 助教授 (90197749)
WILDE Markus  東京大学, 生産技術研究所, 助手 (10301136)
岡野 達雄  東京大学, 生産技術研究所, 教授 (60011219)
松本 益明  東京大学, 生産技術研究所, 助手 (40251459)
キーワード水素分子 / 固体表面 / 共鳴イオン化法 / オルソーパラ転換 / 回転準位 / オルソーパラ分離
研究概要

水素分子は回転とスピンという内部自由度を持っており、固体表面との相互作用においてこれらの自由度が大きな役割を担う.本研究課題ではオルソ水素とパラ水素の表面との相互作用の違いを実験的に調べ,オルソーパラ転換の微視的な機構解明を目的として研究を行った.
まず実験技術として,水素分子の共鳴イオン化法と6Kまで冷却可能な試料ホルダーの開発を行い,これらを組み合わせて新たにスピン/回転状態弁別昇温脱離法を完成させた.本手法を用いて,メソポーラスアルミナ表面,銅表面,単結晶Cr_2O_3表面,NiAl(110)上の単結晶アルミナ表面への水素吸着とオルソーパラ転換に関する研究を行った.その結果,メソポーラスアルミナ表面では,1.細孔内部と粒子表面とで吸着エネルギーが異なること,2.細孔内部のオルソーパラ転換時間が32分であること,3.粒子表面のオルソーパラ転換時間が7分以下であること,4.細孔内部ではオルソ水素のほうがパラ水素より吸着エネルギーが約6meV大きいこと,を新たに発見した.一方多結晶銅表面では,1.オルソーパラ転換時間が約30分以下であること,2.オルソ水素のほうがパラ水素より吸着エネルギーが約5meV大きいことを新たに見出した.オルソーパラ転換機構としては,不純物局在スピンによる磁気双極子相互作用によるものと推論し,またオルソ水素とパラ水素の吸着エネルギーの違いは,吸着ポテンシャルの異方性に起因すると結論した.

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] K.Fukutani,M.-B.Song and Y.Murata: "State-selective study of photodesorption at modified metal surfaces"Proceedings of SPIE. 3272. 160-166 (1998)

  • [文献書誌] 馬込保,福谷克之,岡野達雄: "多光子共鳴イオン化法による水素分子の検出"生産研究. 50. 169-171 (1998)

  • [文献書誌] T.Magome,K.Fukutani, and T.Okano: "Adsorption-desorption kinetics of hydrogen molecules on granulated alumina using resonance-enhanced multiphoton ionization method"J.Vac.Soc.Jpn. 42. 286-289 (1999)

  • [文献書誌] L.Fukutani,H.Iwai,Y.Murata, and H.Yamashita: "Hydrogen at the surface and interface of metals on Si(111)"Phys.Rev.B. 59. 13020-13025 (1999)

  • [文献書誌] M.Wilde,K.Fukutani 他4名: "Angular distributions of NO in laser-induced desorption form Pt(111)"Surface Science. 427/428. 27-33 (1999)

  • [文献書誌] M.Matsumoto,N.Tatsumi,K.Fukutani 他5名: "Adsorption structures of NO/Pt(111) investigated by scanning tunneling microscopy"J.Vac.Sci.Technol.A. 17. 1577-1580 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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