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1998 年度 実績報告書

量子ホール電子系の位相干渉性とその制御

研究課題

研究課題/領域番号 10440101
研究種目

基盤研究(B)

研究機関東京大学

研究代表者

小宮山 進  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (00153677)

研究分担者 平井 宏  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (30251325)
吉岡 大二郎  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (30114713)
キーワード位相干渉性 / 量子ホール効果 / 伝導度ゆらぎ / AB効果
研究概要

当初の計画通り以下のように研究を進めた。
(1) 微少なショットキー・クロスゲート(3ミクロン角)を持つ量子ホール効果素子を作成した。
(2) 20mKまでの低温のにおいて、まず一つのゲート構造(Gl)による量子ホール効果遷移領域での遷移スペクトルを観察し、大きなショットキーゲート試料では見られなかった伝導度揺らぎによる微細な構造がが生ずることを見いだした。
(3) 上記ゲートが直列に2つ(GlとG2)並んだホール素子においてGlとG2を同時にバイアスしたときと、それぞれ片方のみバイアスしたときの遷移スペクトルの比較を行い、同時バイアスのスペクトルは片方ずつの和に近い構造を持つことが解った。
(4) 本研究の最終目標である肺振動の直接観測を目指して、同時バイアス条件下で微少磁場挿引を行ったが、雑音をしのぐAB振動の振幅は観測されなかった。これは用いたショットキーゲートがまだ大きすぎるために、関与する電子状態が多すぎて(約150程度と評価される)小さな伝導度揺らぎしか得られていないためと考えられる。
(5) 上記(4)の問題点を解決するために、現在より微少なショットキーゲート試料、及び二つの量子ドットを持つ試料の作成を行っている。さらに、大きな試料での位相干渉性をAB効果を通さずに直接検証するために、第3のコントロールゲートに高周波電圧を印可することによって位相破壊する実験を計画している。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] S.Komiyama: "Ultrahigh-sensitive far-infrared detection based on quantum Hall devices." Proc.of 6th Int.symp. “Nanostructures: Physics and Technology" (StPetersburg. Russia). 140-147 (1998)

  • [文献書誌] T.Machida: "Phase Coherence of Edge States over Macroscopic Length Scales." Physica B. 249-251. 128-131 (1998)

  • [文献書誌] T.Machida: "Geometry-Dependent Transition between Integer Quantum-Hall States." Solid State Electronics. 42. 1155-1158 (1998)

  • [文献書誌] S.Komiyama: "Avalanche Breakdown of The Quantum Hall Effects." to be publiched in a supplementary issue of the Journal of Korean Physical Society. (1999)

  • [文献書誌] S.Komiyama: "Edge states and nonlocal effects “Mesoscopic Physics and ELectronics"" Springer Verlag, 120-131 (1998)

  • [文献書誌] 小宮山 進: "実験物理学 11巻 §6.3 “量子ホール効果" 印刷中" 丸善, (1998)

  • [文献書誌] 河野 行雄: "固体物理 “量子ホール効果状態における電子系からのサイクロトロン" 印刷中" アグネ技術センター, (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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