研究課題/領域番号 |
10440102
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
石本 英彦 東京大学, 物性研究所, 教授 (60044773)
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研究分担者 |
永井 克彦 広島大学, 総合科学部, 教授 (90034743)
山口 明 東京大学, 物性研究所, 助手 (10302639)
柄木 良友 東京大学, 物性研究所, 助手 (30186027)
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キーワード | フェルミ流体 / 準粒子散乱 / 重い荷電粒子 / 近藤効果 / ヘリウム3 / time of fleight / snow ball / 核偏極 |
研究概要 |
フェルミ液体である常流動ヘリウム3中の正イオンは(He_2)^+の周りに誘電分極によりヘリウム3原子が引き付けられ"snow ball"と呼ばれるクラスターを形成していると考えられている。この移動度は100mK以下においてヘリウム3準粒子との散乱により決められているが、その散乱過程にクラスター表面上のヘリウム3核スピンとヘリウム3準粒子の核スピン間の磁気的交換相互作用の寄与が指摘されている。この寄与を調べる過程で見い出された高磁場下での大きな移動度減少の起源を明らかにするため、これまでの測定領域をより高磁場(15Tまで)へ拡張しより高圧(30気圧以上)の試料について、新しいイオンセルを製作し精度の高い測定を行った。移動度の測定法としては飛行時間測定法を用いたが、新たなグリッドを設置し引き出し電場の均一化と測定精度の向上を計った。まず一定温度3.2mKでの磁場依存性が様々な圧力で行われた。低圧力では磁場依存性はほとんどないが、高圧力では移動度にピークが現われること、さらにそのピークが圧力の増加と共に低磁場にシフトして高磁場側に大きな移動度の減少がみられること、しかもその減少が31気圧では30%以上になることがわかった。次に20mKでの移動度の磁場依存性には前述の様なピークがなく、圧力の増加と共に圧力依存する緩やかな減少が観測された。以上の起源については、クラスター表面上のヘリウム3核スピンが関与していることは確かであるが、詳細は全く不明であり理論的な解明が待たれる。
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