研究課題/領域番号 |
10440104
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
毛利 信男 東京大学, 物性研究所, 教授 (40000848)
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研究分担者 |
森 多美子 東京大学, 物性研究所, 助手 (70174373)
三田村 裕幸 東京大学, 物性研究所, 助手 (60282604)
竹下 直 東京大学, 物性研究所, 助手 (60292760)
後藤 恒昭 東京大学, 物性研究所, 教授 (30005962)
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キーワード | 低温・超高圧 / ホール係数 / 磁気抵抗 / 輸送現象 / SmS / TmTe / CeSb |
研究概要 |
今年度は超高圧・極低温・強磁場の多重極限環境を発生できる装置の整備を行った。これまでピストン・シリンダー圧力発生装置で2GPaまでの測定が可能であったが、本研究目的を達成するためには2GPa以上の圧力発生を可能にすることが課題である。このため先ずBidgman Anvilをmodefiedしたものを設計製作した。このアンビルの特徴はアンビル面の中央に直径3mm深さ0.3mmのくぼみを設け、テフロンセルを導入できる点にある。この工夫によって圧力媒体を液体にすることができ、静水圧性の高い圧力の発生が可能となる。アンビルの材料をタングステン・カーバイド超硬合金材料で作成した。圧力発生装置として既設の30トンプレスを用いて、既設の20T超伝導磁石クライオスタットの有効ボア徑が40mmなので、圧力容器ホルダーの最大外径を32mmとした。Biを用いて圧力発生試験をおこなったところ、7.7GPaで生じるBiIII-V相転移にともなう抵抗変化を観測できた。 開発した高圧装置を用いて計画どおり、SmS、CeSb、TmTe単結晶の多重極限下における輸送現象についての研究を進めている。 SmSでは2.3GPaで半金属-金属転移を起こし、ホール係数が正から負に転じることがあきらかになった。 超高圧下でCeSbで見いだされていた50K付近の異常な抵抗極大は磁場の印加で減少し、16Tでは消失することが明かとなった。 TmTeの四重極転移に関して温度、圧力、磁場についての相図を調べた。 これらの結果の一部について国際会議、日本物理学会等で報告した。
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