研究課題/領域番号 |
10440104
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
毛利 信男 東京大学, 物性研究所, 教授 (40000848)
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研究分担者 |
三田村 裕幸 東京大学, 物性研究所, 助手 (60282604)
竹下 直 東京大学, 物性研究所, 助手 (60292760)
後藤 恒昭 東京大学, 物性研究所, 教授 (30005962)
森 多美子 東京大学, 物性研究所, 助手 (70174373)
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キーワード | 低温・超高圧 / 輸送現象 / 相図 / CeP_<0.9> N_<0.1> / CeCu_2 / (Si_<1-x> Ge_x)_2 / TmS、 / TmTe |
研究概要 |
今年度は3月末に研究所の我々の部門が柏に移転となり、およそ半年をかけて昨年度完成させた超高圧・極低温・強磁場の多重極限発生装置の再整備を行い、価数揺動物質であるCeP_<0.9>N_<0.1>、CeCu_2(Si_<1-x>Ge_x)_2、Tms、TmTe、について研究をおこなった。CeP_<0.9>N_<0.1>はこれまでのCePの成果からPをイオン半径の小さいNに置き換えることで化学圧力を加える効果を期待したが、格子定数は逆に増加することが見い出された。圧力一温度の電子相図を調べたところCePに比較して負の圧力が約1GPa 印可されていることが判明した。新しい実験成果として一次電子相転移の直前で残留抵抗が極大を示すことを見出した。 CeCu_2(Si_<1-x>Ge_x)_2について結晶場と磁気転移、超伝導転移との関連を明らかにするため系統的な相図を調べた。x=0.5の試料で高圧下で5K付近に超伝導現象が見出したが.試料を詳細にX線解析したところ全てに微少の不明のラインが見出され、現在再検討している。またCeP_<0.9>N_<0.1>の場合と同様に一次電子相転移の直前で残留抵抗が極大を示すことも明らかとなった。 TmS、TmTe、についても詳細な高圧下での異常な輸送現象を調べ、圧力一湿度相図を提案した。価数はTmTeで2価.TmSで3価をとり、TmTeの高圧状態では2価と3価の中間状態となり価数揺動に起因する磁性の相転移や非金属一金属転移が誘起された。 また、TmTeの反強四重極秩序に関して超高圧・極低温・強磁場の多重極限発生装置を用いて作成された相図は特異なものとして注目されている。 これらの結果の一部については国際会議や、日本物理学会等で報告した。
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