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1999 年度 実績報告書

ユーロピウム化合物における価数揺動と価数転移機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 10440108
研究機関京都大学

研究代表者

和田 裕文  京都大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (80191831)

研究分担者 志賀 正幸  京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30026025)
キーワード価数揺動 / Eu / 一次転移 / 電気抵抗 / フラックス法
研究概要

希土類元素のEuの価数揺動は2価と3価の間で起こるが,その平均価数は温度や磁場に強く依存する.本研究ではこれらの現象の物理的原因を明らかにすることを目的としている.
本年度の研究結果は以下のとおりである.
1)Eu(Pd_1-_xPt_x)_2Si_2の電気抵抗の温度依存性および高圧下での価数転移の振る舞いについて調べた.電気抵抗は価数転移が起こる温度でピークを示す.この現象は不純物散乱が価数転移温度でもっとも顕著になるためであると解釈される.ICFモデルによって価数変化をシミュレートし,電気抵抗の温度依存性を定性的に説明することができた.
2)EuNi_2(Ge_1-_x)_2において,高圧,強磁場のもとで,Euの価数が変化することを磁化測定によって見出した.圧力はEu3価を安定するが,磁場はEu2価を安定化する方向に働く.その結果圧力によって壊れたEu2価の磁気モーメントが磁場によって復活するという興味深い現象を見出している.ICFモデルでは3価から2価の励起エネルギーが格子体積に依存すると考えることによって,これらの現象が説明される.
3)希薄Eu系La_<0.9>Eu_<0.1>Ni_2(Ge_1-_xSi_x)_2の価数温度変化をX線吸収スペクトルにより求めた.これは希薄系では相転移が抑えられるので,その際の価数変化の因子を特定することを目的とした研究である.その結果この系では格子体積より,格子定数cの方が価数を支配する因子であることを見出した.また,高濃度系EuNi_2(Ge_1-_xSi_x)_2の価数も同じcによってスケールすることを明らかにした.
4)フラックス法によって作製したEuNi_2P_2を共同研究に供し、光電子分光,ホール効果などの実験が進行している.また同じくEuRu_2P_2の単結晶を作製し,この物質が強磁性であることを見出した.

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] H.Wada et al.: "Field-induced valence transition of EnPd_2Si_2 and related compounds"J. Magn. Magn. Mater.. 196-197. 883-884 (1999)

  • [文献書誌] A.Mitsuda et al.: "Volume magnetostriction of valence fluctuating compouds EuNi_2(Si_1-_xGe_x)_2"Physica B. (in press). (2000)

  • [文献書誌] J.Sakurai et al.: "Thermoelectric power EuNi_2(Si_1-_xGe_x)_2"Physica B. (in press). (2000)

  • [文献書誌] H.Wada et al.: "Resistivity anomaly due to valence transition in Eu compounds"Physica B. (in press). (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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