研究課題/領域番号 |
10440111
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
巨海 玄道 熊本大学, 工学部, 教授 (00111146)
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研究分担者 |
加賀山 朋子 熊本大学, 工学部, 講師 (40274675)
藤井 宗明 熊本大学, 理学部, 講師 (10181322)
藤田 昌大 熊本大学, 工学部, 教授 (20040389)
竹田 和義 九州大学, 工学部, 教授 (10029548)
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キーワード | 静的超高圧 / 衝撃超高圧 / 強相関電子系 / X線回折 |
研究概要 |
本年度は初年度であるため低温・高圧・高磁場のいわゆる複合極限環境下で使用できる装置の作成に主眼をおいた。本装置はこれまでの装置を使うと5Tまでしか測定できなかった磁場範囲を9Tまで拡張し、強相関電子系物質の電子物性をより広い外部変数の範囲で測定することを試みた。初年度の成果の概要を以下に述べる。 (1) 複合極限環境下の物性測定装置の設計は分担者の加賀山と協力して行った。新しい装置は磁場がほぼ予定の値まで達し、温度も十分な低温に到達できることがわかったためこれからの使用に支障はないことを確認した。 (2) 最近注目を浴びている強相関系のペロブスカイト型マンガン酸化物の試料作成を行った。これらの中で特にインバー効果を示すSrRuO_3に着目した。気孔率との兼ねあいがあるため、試料は常圧下及び高圧下で作成を行い、その基礎物性を比較検討する事により、最適条件の模索を行った。その結果、高圧下で作成した試料は相転移がクリアーに現れ、インバー特性にも優れていることがわかった。今後この物質に磁気的性質を含め、さらに作成条件を吟味しよりよい特性を持つ酸化物の合成を行い、その異常な電子物性の発現機構を探っていく予定である。 (3) Euを含む変形ペロブスカイト型マンガン酸化物の金属絶縁体転移や複雑な磁気構造の圧力効果を明らかにするため、複合極限下でこの物質の電気抵抗や熱膨張等の測定を行った。その結果、金属絶縁体転移が熱膨張の異常を伴うことを明らかにし、さらに磁歪にもそれが現れることを示した。また高圧を印加することにより金属相はより安定化していくことを明らかにした。
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