1999 年度実績報告書

静的・動的複合極限場における強相関電子系物質の電子状態の研究

研究課題

研究課題/領域番号	10440111
研究機関	熊本大学
研究代表者	巨海玄道熊本大学, 衝撃・極限環境研究センター, 教授 (00111146)
研究分担者	藤井宗明熊本大学, 衝撃・極限環境研究センター, 助教授 (10181322) 藤田昌大熊本工業大学, 工学部, 教授 (20040389) 竹田和義九州大学, 工学部, 教授 (10029548) 加賀山朋子熊本大学, 工学部, 講師 (40274675)
キーワード	インバー / マンガン酸化物 / 量子臨界点 / 非フェルミ液体
研究概要	11年度の科学研究費補助金による実績は以下の通りである。 (1)インバー特性を示す酸化物SrRuO3の高圧合成とその物性の研究この物質の粉末状試料を高圧・高温下で固化することに成功した。固化した試料は常圧で合成された試料に対して高い電気伝導を持ち、顕著なインバー効果を示した。また強磁性転移温度Tcの圧力効果を測定し遍歴型強磁性体に特有な大きな圧力効果を見いだした。これらの結果はハワイで行われた高圧国際会議や国内の会議で発表された。 (2)重い電子系物質CePtSi2における圧力誘起量子臨界点の研究試料としてCePtSi2を用い、高圧下で反強磁性転移温度TNを0Kまで下げることにより磁気秩序を消失させ、その後に安定化される電子状態の研究を行った。これは電気抵抗、比熱や熱膨張などの測定をとうして行われた。その結果、TNは約1,5GPaで消滅し、それ以上の圧力で低温でlogTに比例する電気抵抗が現れた。更に加圧すると4GPa以上でT2に比例する電気抵抗を見いだした。これは高圧下で反強磁性がなくなり、非フェルミ流体が安定化し、更に加圧することでフェルミ液体が最終的に安定化されることを示しているものと解釈できる。更にTNがなくなる近辺の圧力で残留抵抗が最大値をとることが明らかとなりこの物質においては1.5GPa付近で価数揺動の効果が顕著であることがわかった。この結果は内外の学会において発表され、また論文としても公表された。 (3)マンガン酸化物におけるスピン・電子・軌道の相関の研究 Euをべースとするマンガン酸化物において高圧・高磁場下において電気抵抗、熱膨張の測定から巨大磁気抵抗や結晶変態における磁歪の異常等を明らかにして高圧下では金属相が安定化され、巨大磁気抵抗は抑制されることを見いだした。

研究成果
(6件)

すべてその他

すべて文献書誌 (6件)

[文献書誌] G. Oomi,T. Kagayama and J. Sakurai: "High pressure studies of the concentrated Kondo compounds Ce(In_<1-x>Sn_x)3"J. Materials Processing Technology. 85. 220-223 (1999)
[文献書誌] T. Kagayama and G. Oomi: "Lattice instability of high-T_c superconductor"J. Materials Processing Technology. 85. 229-231 (1999)
[文献書誌] I. Takahashi,T. Kagayama,G. Oomi,Y. Onuki: "Residual short-range order in the heavy fermion compound CeInCu_2"Acta Crystallogr. B, Struct. Sci., B. 55. 31-34 (1999)
[文献書誌] G. Oomi,N. Matsuda,F. Honda,T. Kagayama: "Effect of pressure on the critical temperature and magnetic field of TmNi_2B_2C"Physica B. 259-261. 601-603 (1999)
[文献書誌] G. Oomi,F. Honda,T. Kagayama,F. Itoh: "Fermi momentum of Conduction Electron in Li Metal under High Pressure"Jpn. J. Appl. Phys.. 38. 508-511 (1999)
[文献書誌] T. Kagayama,K. Honda,G. Oomi: "Effect of pressure on the thermal expansion of antiferromagnet, α-Manganese"J. Magn. Soc. Jpn.. 23. 448-449 (1999)

1999 年度 実績報告書

静的・動的複合極限場における強相関電子系物質の電子状態の研究

研究代表者

巨海 玄道 熊本大学, 衝撃・極限環境研究センター, 教授 (00111146)

研究成果

[文献書誌] G. Oomi,T. Kagayama and J. Sakurai: "High pressure studies of the concentrated Kondo compounds Ce(In_<1-x>Sn_x)3"J. Materials Processing Technology. 85. 220-223 (1999)

[文献書誌] T. Kagayama and G. Oomi: "Lattice instability of high-T_c superconductor"J. Materials Processing Technology. 85. 229-231 (1999)

[文献書誌] I. Takahashi,T. Kagayama,G. Oomi,Y. Onuki: "Residual short-range order in the heavy fermion compound CeInCu_2"Acta Crystallogr. B, Struct. Sci., B. 55. 31-34 (1999)

[文献書誌] G. Oomi,N. Matsuda,F. Honda,T. Kagayama: "Effect of pressure on the critical temperature and magnetic field of TmNi_2B_2C"Physica B. 259-261. 601-603 (1999)

[文献書誌] G. Oomi,F. Honda,T. Kagayama,F. Itoh: "Fermi momentum of Conduction Electron in Li Metal under High Pressure"Jpn. J. Appl. Phys.. 38. 508-511 (1999)

[文献書誌] T. Kagayama,K. Honda,G. Oomi: "Effect of pressure on the thermal expansion of antiferromagnet, α-Manganese"J. Magn. Soc. Jpn.. 23. 448-449 (1999)

1999 年度実績報告書

巨海玄道熊本大学, 衝撃・極限環境研究センター, 教授 (00111146)