研究課題/領域番号 |
10440112
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 姫路工業大学 |
研究代表者 |
坂井 信彦 姫路工業大学, 理学部, 教授 (60013497)
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研究分担者 |
伊藤 真義 高輝度光科学研究センター, 光科学研究所, 研究協力員
櫻井 吉晴 高輝度光科学研究センター, 光科学研究所, 研究員
小泉 昭久 姫路工業大学, 理学部, 助手 (00244682)
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キーワード | コンプトン散乱 / 反跳電子 / ボルマン効果 / 同期計測 / 放射光 / 水晶薄膜単結晶 |
研究概要 |
当年度は高輝度光科学研究センターのSpring-8放射光実験に本研究を課題申請し、その承認を受けBL08Wにて実施した。実験に先立ち散乱槽(直径306mm,深さ95mm)を設計し、製作を発注した。試料の方位を真空槽外部のスイベルステイジ、および回転ステイジで電動駆動できること、電子検出器が入射X線に対して水平面で電動回転できることがこの真空槽の特徴である。窓材はB.G.を低減させる必要からカプトン膜(12μm)とした。単結晶薄膜の入手、最適な放射線同期測定電子回路系の検討と調達をし、納品後パルサーにてその精密調整を行った。実験は平成11年2月26日より3月3日の間実施した。試料はSiO_2(35μm,5x5mm^2)、X線の入射エネルギーは274keVで行った。真空槽はターボ分子ポンプで減圧し、10^<-2>Paを得た。コンプトン散乱角は130度であった。B.G.の低減にはX線の空気による散乱を無くすること、検出器の遮蔽を入念に行うことが効果的であった。反跳電子はフォトダイオードでエネルギー分光(ΔE=6keV)し、試料からの微弱な光電子ピークと反跳電子ピークを計測できた。次いで反跳電子と同期させたコンプトンプロファイルをGe半導体検出器で測定し、B.G.の低減したエネルギースペクトルが得られたことから同期実験は正常であると判断された。コンプトン散乱したX線に同期させた反跳電子エネルギースペクトルの計測は行えなかった。 次年度には反跳電子の単結晶内の回折現象を捉え、その条件下で回折電子と同期させたコンプトンプロファイルを測定する予定である。
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