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2000 年度 研究成果報告書概要

コンプトン散乱X線と同期させた反跳電子のボルマン効果とコンプトンプロファイル

研究課題

研究課題/領域番号 10440112
研究種目

基盤研究(B)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
研究機関姫路工業大学

研究代表者

坂井 信彦  姫路工業大学, 理学部, 教授 (60013497)

研究分担者 伊藤 真義  高輝度光科学研究所, 研究協力員
櫻井 吉晴  高輝度光科学研究所, 研究員
小泉 昭久  姫路工業大学, 理学部, 助手 (00244682)
研究期間 (年度) 1998 – 2000
キーワード放射光 / コンプトン散乱 / 反跳電子 / ボルマン効果 / 同期計測 / 薄膜単結晶
研究概要

申請課題の成否はひとえに放射光実験に依存していたが、申請研究期間に承認された放射光実験(課題番号、1999A0144-ND-np,2000A0192-CD-np)はわずか10日間に止まらざるを得ず、当初の目的を達成するに至らなかった。試料は厚さ37μmのSiO_2単結晶を使用した。研究目的を達成するにあたり、実験を以下の4段階に分割し逐次完了しながら進行させた。第1段階はX線のコンプトンプロファイル測定および反跳電子のエネルギースペクトル測定である。第2段階は反跳電子と時間同期させたX線エネルギースペクトルの測定およびX線に時間同期させた反跳電子エネルギースペクトルの測定である。第3段階はX線に時間同期させた反跳電子強度を単結晶試料を回転させながら測定し、ボルマン効果の発生を確認することである。第4段階はボルマン効果を起こしている反跳電子と同期させたX線エネルギースペクトルを測定することである。
第1および第2段階を完了した後、第3段階の実験を実施した。その結果単結晶を0.04度毎に回転させた反跳電子の同期信号の強度が統計誤差を超えるやや不規則な変動を示し(日本物理学会にて報告)、これはボルマン効果によるものと考えられた。しかしSiO_2のc面に基づく正確な規則性がなかったことから、確証は得られなかった。そのため第4段階には至らなかった。
放射光を用いる実験時間が極めて限られてしまった為、本課題の3年間の実施期間内で当初の目的を達成することは出来なかったが、今後の改善点は把握できた。まず試料の厚さを10μm以下にして、ボルマン効果の検出確率を増やすこと、反跳電子の観測方位をより狭くしてボルマン効果に寄与する結晶面をより限定することである。前者を解決するために、新しい発想による単結晶研磨方法を考案し開発を進めている。後者については、検出率が下がるので、放射光利用の申請実験時間をより長期に要求する必要がある。今後、成果について継続報告する。

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公開日: 2002-03-26  

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