研究課題/領域番号 |
10440130
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研究機関 | 北見工業大学 |
研究代表者 |
庄子 仁 北見工業大学, 工学部, 教授 (50201562)
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研究分担者 |
成田 英器 北海道大学, 低温科学研究所, 助教授 (20001662)
亀田 貴雄 北見工業大学, 工学部, 講師 (00233974)
鈴木 輝之 北見工業大学, 工学部, 教授 (30003205)
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キーワード | 氷床コア / 氷床深部 / 氷床流動 / 氷結晶 / 体積緩和 / クラスレート・ハイドレ-ト / クラウディー・バンド / 地球環境 |
研究概要 |
昨年夏に採取されたNGRIP深層コアを試料として、低温実験室内における顕微鏡観察(特にクラウディーバンド中の空気ハイドレート、気泡、六角小平板等の空気含有物のサイズ分布と形状測定)が行われた。その結果、体積緩和の進んだGRIPコアのものよりもずっと明瞭なクラウディーバンドが観察された。また主要な光散乱体は、サイズ10ミクロン以下の微少気泡であり、その数密度は100/mm^3のオーダーで、GRIPコアと同程度であることが判った。 実験室内で育成された大型氷単結晶から試料を切り出して力学試験が行われた。 (1)氷結晶のピラミッド面すべリを調べるために、氷の主軸方向に圧縮応力を加えて定歪速度のクリープ実験が行われた。常圧および静水圧加圧条件下での実験結果によると、ピラミッド面すべりは起こっておらず、従来考えられていたよりも高応力を必要とすることが判った。 (2)氷多結晶試料の整形には、従来ミクロトームによる切削手法が用いられてきた。この切削表面には、微少な貝殻状のホロウ(穴)が発生している。単結晶円柱試料を用いて切削実験を行ったところ、このホロウのサイズ分布が結晶主軸方位に大きく影響されていることが明らかになった。 また、コアの力学試験も継続され、流動硬さが結晶主軸にのみ依存することが判った。
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