研究課題/領域番号 |
10440136
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
大村 善治 京都大学, 宙空電波科学研究センター, 教授 (50177002)
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研究分担者 |
向井 利典 京都大学, 宇宙科学研究所, 教授 (60013695)
小嶋 浩嗣 京都大学, 宙空電波科学研究センター, 助教授 (10215254)
臼井 英之 京都大学, 宙空電波科学研究センター, 助教授 (10243081)
松本 紘 京都大学, 宙空電波科学研究センター, 教授 (00026139)
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キーワード | 静電孤立波 / 電子ビーム / 開放系 / 宇宙プラズマ / 粒子コード / 磁気圏尾部 / 計算機シミュレーション / GEOTAIL |
研究概要 |
磁気圏尾部における多くの波形データについてこの伝搬方向と観測地点の統計をとった結果、静電孤立波の発生領域と考えられる地点が尾部における磁気中性点の近傍に位置していることが推定された。これは磁気中性点におけるリコネクションにより電子が加速されて電子ビーム不安定性が起こっているというモデルと良く一致している。また、オーロラ領域でも最近のFAST衛星等により静電孤立波が観測されている。オーロラ領域では、十分大きな電流を形成しうる強い電子ビームが存在しており、Bump-on-Tailのような弱い不安定性よりもむしろ二流体不安定のような強い不安定性が生起していると考えられる。等密度で速度の異なる二つの電子ビームによる二流体不安定性について2次元の計算機シミュレーションを行った。磁力線沿いに高速度でドリフトする大振幅の静電孤立波と磁力線と斜めに伝搬する低域混成波がカップリングするために、2次元的な静電孤立波と低域混成波が安定して共存することが示された。これは、静電波孤立波を周波数スペクトル受信機で観測した際に見られる低周波部分の成分の存在することを説明できる点で重要である。より現実的なモデルとして、左右の境界を開放境界として、マックスウェル速度分布の熱プラズマ中に、密度が全体の5%の電子ビームを左端から連続的に注入してBump-on-Tail不安定性をおこし、その非線形発展を追跡する計算機シミュレーションを行った。周期境界条件のもとで確認された静電孤立波の生成過程は、電子ビームの先頭の部分でも同様に起こり、開放系においても静電孤立波が生成されると同時に電子の熱速度の大きいプラズマ中を安定して伝搬することが示された。
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