研究課題/領域番号 |
10440139
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
加々美 寛雄 新潟大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (20108179)
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研究分担者 |
高澤 栄一 新潟大学, 理学部, 助教授 (80222082)
志村 俊昭 新潟大学, 理学部, 助教授 (70242451)
豊島 剛志 新潟大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (10227655)
田結庄 良昭 神戸大学, 発達科学部, 教授 (90030585)
小林 健太 新潟大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (30283005)
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キーワード | 領家帯 / Sr・Nd同位体比 / 大陸性リソスフェアマントル / 苦鉄質火成岩類 / 花崗岩 / 原生代初期〜中期 / 起源物質 / 三畳記〜ジュラ紀 |
研究概要 |
領家帯には苦鉄質火成岩(はんれい岩)と苦鉄質火山岩を源岩とする変成岩(変輝緑岩)および堆積岩を源岩とする変成岩が分布している。それらを貫いて、あるいは捕獲して花岡岩類が分布している。苦鉄質火成岩類は中生代の三畳紀〜ジュラ紀中頃の活動したものであり、それらは大陸リソスフェアマントルの存在する大陸的環境の下に活動した事が明らかとなった。また、この火成岩類の一部は下部地殻の深度で固結し、その一部を構成したと考えられる(II.研究発表の項の加々美寛雄、2000;以下の括弧内の出典はII.の研究発表)。領家帯西延長の中部九州肥後帯にもほぼ同時期に形成されたはんれい岩が分布しているが、この地域の主要変成作用もその形成直後に起こったものと考えられる(濱本拓志、1999)。 領家帯に活動する花岡岩類の大部分は120〜80Maの年代をもち白亜紀に活動したものであるが一部はジュラ紀中頃に遡る事が明らかとなった(柚原雅樹、1999)。上述したように苦鉄質火成岩類は三畳紀〜ジュラ紀中頃に活動し下部地殻を構成したが、領家花岡岩類の大部分はこれら岩石を主要な起源物質としている(加々美、2000)。またSr、Nd同位体研究及び主化学組成・微量元素組成から検討すると、それら花岡岩類の一部は原生代初期〜中期に形成された岩石を起源物質としている(加々美、1999;田結庄良昭、1999)。また領家帯の東方延長である筑波に分布する花岡岩類の一部も同様な岩石を起源物質としている(川野良信、1999)。領家帯及びその延長に分布する花岡岩類の一部には堆積岩源変成岩を混入しているものがある(川野、1999)。このように領家帯の基礎は原生代初期〜中期に形成され岩石と三畳紀〜ジュラ紀中頃に活動した苦鉄質火成岩がつくった可能性が強い。
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