研究課題/領域番号 |
10440141
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
澤田 順弘 島根大学, 総合理工学部, 教授 (80196328)
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研究分担者 |
三瓶 良和 島根大学, 総合理工学部, 助教授 (00226086)
木村 純一 島根大学, 総合理工学部, 助教授 (30241730)
中山 勝博 島根大学, 総合理工学部, 助教授 (20243420)
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キーワード | 第四紀火山 / 溶岩ドーム / 火砕流 / 珪長質マグマ / 揮発性物質 / 有機物 / 古地磁気学 / 自己反転熱残留磁化鉱物 |
研究概要 |
平成11年度は次のような研究を行い、成果を得た。 (1)火砕流の熱的規模を推定するために、炭化木片のH/C比を用いて定置温度を求める方法を確立し、公表論文としてまとめた。この温度計と古地磁気学を用いて、デイサイトからなる三瓶山と大山の火砕流堆積物の定置温度と冷却速度を求めた。 (2)その研究過程で自己反転熱残留磁化鉱物(ヘモイルメナイト)が三瓶山や大山から発見された。従来は軽石のみから報告されていたが、本研究では溶岩からも発見され、このことは自己反転メカニズムを考える上で重要である。また、キュリー温度が低い(250-350℃)ことから、中温領域での火砕流堆積物の定置温度見積もりに役立つ。 (3)火山爆発にとってマグマ中の揮発性物質の量とその脱ガス過程は重要である。本研究の一環として、珪長質マグマ中に地表付近での汚染ではない有機物(または炭化水素化合物)が存在することが明らかとなった。有機物の各種分析、透過電顕での直接観察、炭素同位体分析、安定性を検討するための地殻中部の条件下での高温高圧実験等多角的に研究を進めた。結論として高温状態でトラップされた低分子炭化水素化合物が、マグマの冷却過程でより高分子へと重合したものと考えられる。 (4)同源的なマグマであるなら、揮発性物質は深成岩に多くトラップされるような傾向がみられたので、来年度の課題として追求する予定である。
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