研究課題/領域番号 |
10440143
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
平野 昌繁 大阪市立大学, 文学部, 教授 (00047177)
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研究分担者 |
三田村 宗樹 大阪市立大学, 理学部, 助教授 (00183632)
波田 重煕 神戸大学, 大学教育研究センター, 教授 (40036554)
石井 孝行 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (40045159)
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キーワード | 兵庫県南部地震 / 水平変位場 / ランダーズ地震 / ポアソン数 / 地殻の成層構造 |
研究概要 |
兵庫県南部地震についてはGPSあるいは空中写真測量による地盤の変位データが得られている.その解析による水平変位場の特性分析の一環として、芦屋市と神戸市東灘区の海岸部の埋立地の護岸の側方流動の特性を分析し、その中に含まれているテクトニック・ベクトルの抽出を行った.その結果、テクトニックな地盤の変位方位が甲陽断層の南西延長部を境に南南西(断層の南東側)から北東(断層の北西側)に反転することを見い出した.結果の一部は平成10年度応用地質学会で発表し、「地学雑誌」に投稿中である. 兵庫県南部地震による水平変位場の特性の分析により、表面付近の浅い断層と震源断層にあたる深い断層を区別できたので、結果を平成10年12月にアメリカ合衆国のサンフランシスコで行なわれたAGUの1998年fall meetingで発表した.あわせて、1992年に発生した直下型地震で顕著な地震断層が地表に生じたランダース地震に関する資料の収集を行い、断層変位に伴われる微地形の現地における観察を試みた. 直下型地震の発生メカニズムについては、地下の差応力をもたらすポアソン数に注目して現地応力測定結果の分析を行ない、ポアソン数の変化に対応する地殻の成層構造が地震発生に関与することを見い出したので、結果をまとめて「地震」に投稿中である.このような成層構造の存在を過去の他の直下型地震に伴われる水平変位場についても検討するため、1927年に発生した奥丹後地震による郷村断層について再検討した.その結果、この場合にも2種類の断層が区別できた. 直下型地震に伴われる構造物などの変位・変状ついては、兵庫県南部地震との比較検討のため、鹿児島県西部地震・岩手県雫石地震についても現地調査を行ない、構造物の変位・変状の調査ならびに微地形の精密測量をおこなった.
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