研究概要 |
本年度は,本申請研究の最終年度である.一昨年昨年の試料を補足するために,平成12年度には阿武隈山地の調査・試料採集を行った.また,今までの試料に加えて,能登半島の飛騨帯花崗岩類,中国地方東部の山陽帯・山陰帯花崗岩類の調査・試料採取を行い,対象となる準平原面を広げた.採取した試料のほとんどは肉眼で新鮮で,風化による年代への影響は無視できると考えられる.また,領家帯や飛騨帯の花崗岩試料のいくつかを薄片観察したが,風化の影響は無視できる程度であった.また,変成作用を受けている物が認められたけれど,飛騨帯の船津型の花崗岩類を除いて今回の年代測定試料では出来るだけそれらの試料を使わなかった.花崗岩類が変成作用を受けたと思われる組織もほとんど認められなかった.これらの試料の鉱物分離と平行して,アパタイトのフィッション・トラック年代の測定を行った.これまでに,北上山地で5試料,阿武隈山地で15試料,五頭山岩体で1試料,飛騨地域で20試料,中部から四国地方の領家帯で6試料,中部地域の白亜紀火山岩類で7試料,山陰・山陽帯で6試料の年代測定が終了した.研究代表者の松田が,第42次南極地域観測隊に参加するため,平成12年度10月から国立極地研究所に移動したため,研究代表者を勤めることができなくなった.そのため,研究代表者を後藤に変更した.本研究は順調に進んでおり,研究代表者が変わることによって,研究の遂行に差し支えはない.
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