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2000 年度 実績報告書

炭酸塩続成作用から読み取る海水準変動と気候変動

研究課題

研究課題/領域番号 10440147
研究機関熊本大学

研究代表者

松田 博貴  熊本大学, 理学部, 助教授 (80274687)

キーワード炭酸塩堆積物 / 続成作用 / 海水準変動 / 気候変動 / 炭素・酸素同位体組成
研究概要

平成12年度には,前年度までに得られた更新統-完新統炭酸塩堆積物の初期続成作用のメカニズムならびに時間スケールに関する検討結果を踏まえて,海水準変動と続成作用,特にドロマイト化作用あるいは炭素・酸素安定同位体組成の変化について,沖縄県南大東島大東層,ならびに沖縄本島南部港川層において研究を実施した.
南大東島:大東層を構成する苦灰岩の続成生成物および続成シーケンスの検討から,これら苦灰岩は,少なくとも2回のドロマイト化作用により形成されたことが明らかとなり,続成シーケンスと堆積環境の変遷から,ドロマイト化作用は,3つの異なる時代の礁形成に伴い,海水準が相対的に上昇・下降する過程で進行したと推定された.これらの地質学的,堆積岩岩石学的観察結果に加え,ドロマイトの酸素安定同位体組成から,ドロマイト化作用に関与した溶液は,海水,あるいは海水にわずかに淡水の混合した高塩分の混合水であることが明らかにされた.
港川層:上部更新統琉球層群港川層は,ごく浅海域で堆積した6つのUnitからなり,5層準に土壌層を挟在する.この相対的海水準変動に伴う地表露出により,港川層は顕著な陸水性続成作用を被り,その結果,炭素・酸素同位体組成は,大きく続成環境を反映した組成ならびに分布を示していることが明らかになった.また古地表面直下における炭素同位体組成の負のシフトは,必ずしもすべての土壌層には観察されないことが明らかになり,海進期と海退期における続成パターンには相違がある可能性が指摘された.
尚,これまでの研究成果について,第31回万国地質会議(ブラジル),第26回日本洞窟学会,日本地質学会第107年学術大会,ならびに平成12年度炭酸塩コロキウムにおいて発表すると共に,研究成果報告書としてまとめた.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 松田博貴,熊井教寿: "炭酸塩堆積物における陸水性初期続成作用"月刊地球. 20. 230-235 (1998)

  • [文献書誌] 松田博貴,熊井教寿: "陸水性続成作用による炭素・酸素同位体組成変化の時間スケール"熊本大学理学部紀要. 16. 21-32 (1999)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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