| 研究分担者 |
大谷 栄治 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60136306)
入船 徹男 愛媛大学, 理学部, 教授 (80193704)
赤荻 正樹 学習院大学, 理学部, 教授 (30126560)
山中 高光 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30011729)
高橋 栄一 東京工業大学, 理学部, 教授 (40144779)
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| 研究概要 |
昨年と今年の2年間,地球惑星科学上重要な物質について,その高温高圧下における相関係,構造と物性,相変態とレオロジー等の動的挙動を物質科学的に明らかにした.そして多くの若手教官や院生を含む2度の研究会を開いて,当研究課題に関する研究成果の発表・討論と研究交流を行った.具体的な成果を以下に記す.
1.ガーネットーペロブスカイト変態で,ペロブスカイト中のA1が圧力,温度と共に増大する事を見いだした(藤野).
2.下部マントルでのAlのホスト相になりうるAlに富む六方晶の新高圧相の構造を決めた(藤野,赤荻).
3.衝撃を受けた隕石中に珪酸塩イルメナイトとペロブスカイトを発見し,その生成機構を解明した(藤野).
4.MgAl_2O_4-CaAl_2O_4系で15GPa以上で安定な新高圧相を見出し,その安定領域を決定した(赤荻).
5.Mg_2SiO_4の高温高圧X線その場観察で,スピネル相とペロブスカイト+岩塩相との境界を決めた(入船).
6.玄武岩組成とカンラン岩組成について27GPaまでの実験を行い,カリウムがマントル遷移層及び下部マントル条件でコンパチブル元素に変わる事を明らかにした(高橋).
7.Mg_2SiO_4のα-β転移とγ相の分解のカイネティクスを,電子線回折と高温高圧X線その場観察で明らかにした.また,α-β転移速度に0.1%程度の水が大きな影響を与える事を明らかにした(大谷).
8.1500℃,10GPaで合成したα-CaSi_2O_5の結晶構造を決定し,5配位のSiの存在を見出した(工藤).
9.分子動力学法を用いたシミュレーションにより,Mg_2SiO_4多形の構造と物性を高精度で再現した(松井).
10.ヒーター内蔵ダイヤモンドアンビル装置を用いた転移解析用時間分割実験システムを開発した(山中).
11.固溶体結晶が成長する時の化学組成について,最も基本となる式を導く事に成功した(北村).
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