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1998 年度 実績報告書

惑星間塵の同定と結晶組織の研究

研究課題

研究課題/領域番号 10440156
研究機関高エネルギー加速器研究機構

研究代表者

大隅 一政  高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 教授 (70011715)

キーワード惑星間塵 / 放射光X線 / 微小結晶 / 変調構造 / 新鉱物
研究概要

本研究の目的は米国航空宇宙局ジョンソンスペースセンター(NASA/JSC)がスペースシャトルによって採取した微小な惑星間塵からそれに含まれる複数の鉱物種を同定し、得られる構造・組織・結晶性といった結晶学的情報を押出することである。今年度(平成10年度)の研究実績を以下に述べる。
1) 2軸の微動ステージ上に搭載したガラスキャピラリーを既存装置へ組込み、その光軸を調整して微小結晶に放射光X線を集光して入射し、微小結晶回折実験の効率向上を図った。
2) 結晶性評価の研究の進展に伴い回折X線のプロファイルの解析から評価を行うことが必要とされるようになってきた。このために検出器であるイメージングプレートと読み出し装置の光学系を高分解能化して分解能の高いデータ収集に対応した。これに伴い計算機の記憶容量を大型化し、回折プロファイルの解析を行うプログラムを開発してCVDダイアモンドの評価を行った。
3) 惑星間塵(Fe-Ni硫化物)の同定と結晶学的評価として2種の惑星間塵に含まれる鉱物の同定を行った。
何れも化学組成から磁硫鉄鉱の系列に属すると考えられるが、試料名L2005AE6の放射光白色X線によるラウエ法による実験から、この惑星間塵は磁硫鉄鉱のNA型であると同定され、a軸の変調による周期が決定された。第2の試料であるL2005AG17は放射光単色X線による回折実験の結果磁硫鉄鉱の3C型と判明した。これらの型は何れもこれまで天然には見出されていない新鉱物である。更にこの第2の試料には微粉末状の磁鉄鉱が含まれることも明かにされた。
上記の成果は国際鉱物学連合会議(カナダ)及びアジア結晶学会議(マレーシア)で招待講演として発表した。

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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