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1998 年度 実績報告書

コヒーレント低振動数モードの観測による弱い分子間相互作用の研究

研究課題

研究課題/領域番号 10440170
研究機関北陸先端科学技術大学院大学

研究代表者

吉原 經太郎  北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 教授 (40087507)

研究分担者 林 高史  九州大学, 工学部, 助教授 (20222226)
IGOR Rubtsov  北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 助手 (70293404)
熊崎 茂一  北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 助手 (40293401)
青野 重利  北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 助教授 (60183729)
キーワードコヒーレント振動 / フェムト秒分光 / 低振動モード / 電荷移動錯体 / 水素結合
研究概要

化学反応や分子間相互作用をにおけるコヒーレント低振動数モードの役割をフェムト秒時間分解の方法によって調べるのが研究目的である。電荷移動相互作用、水素結合などは分子認識に高い選択性を与えている。これらの結合形態は、外部電場の作用、溶媒環境(水素結合性の溶媒の導入)などによって制御可能な十分弱いものであり、反応の進行を調整できる自由度が高いといえる。分子間の弱い会合の性質と、それに多様性を与える外部環境を評価することは化学、生物の研究に共通した重要性を持つと考えられる。
分子間振動のような低振動数モードのコヒーレント状態を観測するために超高速の蛍光測定法を開発し、データの解析方法を確立した。製作した装置の応答関数は70fsである。これは蛍光測定位置でのビームのクロスコリレーションの半値全幅で定義したので蛍光寿命の測定では50フェムト秒より短い寿命の測定も可能である。なお、この時間分解能は自然発光のの蛍光寿命測定系としては世界的に見ても最も優れているものの一つと言える。フェムト秒光パルスで分子を励起し、吸収、蛍光のダイナミクスを観察すると、試料によっては位相の揃った分子間振動(振動コヒーレンス)が観測でき、振動の周波数、振幅、位相、位相緩和時間が決定できる場合がある。(1)各種の電荷移動錯体の励起状態における振動コヒーレンスの観測。電荷移動錯体の分子間振動コヒーレンスを観測することを試みた。その結果一部に振動コヒーレンス観測されるが多くの場合コヒーレンスの乱れが速く観測されないことがわかった。現在観測される振動の帰属や速いコヒーレンスの乱れの原因などについて検討中である。(2)多点水素結合ポルフィリン-キノン系の電荷分離状態における振動コヒーレンスの観測については来年度の課題として準備中である。本年度購入した和周波発生装置の運転も可能となった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] M.Hayashi: "Vibronic and Vibrational Coherence and Relaxation Dynamics in the TCNE-HMB Complex" J.Phys.Chem.102. 4256-4265 (1998)

  • [文献書誌] V.Fidler: "Ultrafast Electronic Energy Flow in a Bichromophoric Molecule" Collect.Czech.Chem.Commun.63. 1460-1472 (1998)

  • [文献書誌] I.V.Rubtsov: "Ultrafast Photoinduced Solute-Solvent Electron Transfer:Configuration Dependence" J.Phys.Chem.103(印刷中). (1999)

  • [文献書誌] I.V.Rubtsov: "Site dependent electron transfer reaction in solution." Ultrafast Phenomena XI, Springer-Verlag, Berlin. (印刷中).

  • [文献書誌] I.V.Rubtsov: "Vibrational coherence in excited state of an electron donor-acceptor complex." Ultrafast Phenomena XI, Springer-Verlag, Berlin. (印刷中).

  • [文献書誌] K.Yoshihara: "Adv.Chem.Phys." Jhon Wiley and Sons,Inc., 32 (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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