研究課題/領域番号 |
10440186
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
赤阪 健 新潟大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (60089810)
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研究分担者 |
若原 孝次 新潟大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (40303177)
永瀬 茂 東京都立大, 大学院・理学研究科, 教授 (30134901)
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キーワード | ケイ素化フラーレン / C_<60> / ポリシラン |
研究概要 |
平成10年度で確立したケイ素化フラーレン誘導体の合成法により、その展開の一環として、ポリシラン鎖にフラーレンを組み込んだパールネックレス型のポリシラン(1)を合成した。このポリシランは、分子内にケイ素ーケイ素ユニットと電子受容体のフラーレン分子が存在し、分子内移動による、いわゆるp-n型の電導性材料への応用が期待される。また、シリルラジカルのフラーレン上への多付加反応を利用して、3次元的に構造が制御されたデンドリマー合成を試みた。即ち、六ケイ素化フラーレン(2)を合成し、その制御されたケイ素基から種々の官能基の手を延ばすことを試みた。現在のデンドリマーは、最大4本の手を中心核から延ばしたものが多くみられるが、フラーレンからの手は6本が可能であることを特徴とする。特に、ポリシラン鎖を有するデンドリーマーの合成にチャレンジする。上記反応により得られたケイ素化フラーレン誘導体の電子的特性を解明した。何れの生成物もHOMOレベルの高いケイ素ーケイ素シグマ結合を有し、C_<60>やC_<70>ユニットとの分子内電荷移動や電子移動相互作用による新しいC_<60>及びポリシランの性質が発現することが期待される。電子スペクトル、レドックス電位の測定、薄膜化したフラーレン誘導体の電導度測定、アルカリ金属ドーピング法による超伝導度測定を行った。さらに理論計算によるケイ素化フラーレン誘導体のHOMO/LUMOエネルギーレベル、イオン化電位や電子親和力等の検討を行い、実験結果と理論計算のinterplayにより、ケイ素化フラーレンの性質及びその機能に関する考察を行った。
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