研究課題/領域番号 |
10440200
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
竹田 満洲雄 東邦大学, 理学部, 教授 (80011633)
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研究分担者 |
北澤 孝史 東邦大学, 理学部, 助教授 (60246767)
高橋 正 東邦大学, 理学部, 助教授 (30171523)
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キーワード | ガドリニウム / ガドリニウム錯体 / ^<155>Gdメスバウア分光 |
研究概要 |
これまで、Gd錯体の^<155>Gdメスバウアースペクトルの報告はない。本研究は主にGd錯体のδに、β-ジケトン配位子の置換基の電子効果が反映するかどうか検討する目的で10種のβ-ジケトン錯体の^<155>Gdメスバウアー分光を12Kで行なった。比較のため、2種のGd-EDTA錯体および4種のシアノ架橋錯体の^<155>Gdメスバウアー分光も12Kで行なった。。Gd(bfa)_3・2H_2OおよびGd(pta)_3・2H_2Oの結晶構造解析から両錯体とも正方ねじれプリズム8配位錯体であることがわかった。 Gdの金属間化合物のδは約-0.2mms^<-1>から0.9mms^<-1>の間で変化する。これに対して錯体のδは約0.54mms^<-1>から0.65mms^<-1>の間にあり、δの分布領域が狭いことがわかった。更に、δはGdO_<6,7or8>>GdN_2O_<6or7>>GdN_6O_2の順に小さくなる傾向が見られた。Gdに配位する窒素原子の数が増えるとδが小さくなるようである。これについては今後更に検討する予定である。 e^2qQはGd(bfa)_3・2H_2OとGd(pta)_3・2H_2Oで明らかに違っている。したがって、同じ正方ねじれプリズム8配位錯体でも、置換基を変えるとGd周りの電荷分布が変化することがわかる。更に、Gd(tta)_3・2H_2Oを除くとβ-ジケトン錯体では7配位錯体のe^2qQは8配位錯体より大きいことがわかる。これは7配位錯体のGd周りの配位多面体が単面冠三角柱と考えられ、単面冠三角柱の対称性は正方ねじれプリズムより低いためと考えられる。
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