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1998 年度 実績報告書

新規フレームワークを持つ芳香族化合物Ag(I)π錯体超分子の合成と光誘導機能

研究課題

研究課題/領域番号 10440201
研究機関近畿大学

研究代表者

宗像 惠  近畿大学, 理工学部, 教授 (80090942)

キーワード芳香族化合物 / Ag錯体超分子 / 密度汎関数法 / π-π相互作用 / 多層構造 / 二重結合距離
研究概要

(1) 密度汎関数法(B3LYP)MO計算による多環式化合物の特異的Ag-(C=C)結合の解明.
これまでに我々が合成したいくつかのAg(I)と芳香族系化合物とのπ錯体においては、Ag(I)が配位している炭素間のC=C結合距離が他の配位していない部分に比べて短くなっている。これは、今まで一般に考えられているようなσ供与、π逆供与だけでは説明が出来ないものであり、恐らく芳香環上のπ電子の分極による効果などの要因が考えられる。これらの点について実際に得られた結晶構造に基づいたモデル錯体について、本研究補助金で購入したワークステーションを用いて、一銀錯体をモデルに密度汎関数法(B3LYP)によるAb Initio MO計算で、構造最適化を行なった。Ag(I)が配位している炭素間結合距離1.35Åは他の配位していない炭素間結合距離1.44Åより伸びるという結果を得た。ベンゼンは共鳴構造状態にあり、炭素間結距離は二重結合と単結合の平均値(1.339Å)と考えららる。Ag(I)は共鳴構造状態にあるベンゼンの二重結合部位と瞬間的に結合し、共鳴状態を止めてしまうと考えられる。従って、共鳴状態にないベンゼンの二重結合距離は通常の二重結合距離1.33-1.34Åの範囲にあると考えれば、Ag(I)が配位している炭素間結合距離1.35Åはこれより伸びており、計算結果とも一致する。
(2) 新規フレームワークを有する多環式化合物Ag(I)π錯体超分子の合成.
ルブレン、トリプチセン、ペンタセン、デカサイクレンなどの多環式芳香族化合物を用いて、新規のフレームワークと性質を有するμ^2配位とπ-πinteractionによて集積された多層型Ag(I)錯体超分子の合成に成功した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 宗像 惠: "Construction of Copper(I)Coordination Polymers of 1,2,4,5-Tetracyanobenzene with Zigzag Sheet and Porous Frameworks" Inorg.Chem.37・21. 5651-5656 (1998)

  • [文献書誌] 宗像 惠: "S・・・・S Contact-assembled Tetrathiafulvalene Derivatives of Copper and Siver(I)Coordination Polymers and Organic Radical Cation Salt." J.Chem.Soc.,Dalton Trans.・19. 3255-3261 (1998)

  • [文献書誌] 宗像 惠: "Supramolecular Silver(I)Complexes with Highly Strained Polycyclic Aromatic Compounds" J.Am.Chem.Soc.120・34. 8610-8618 (1998)

  • [文献書誌] 宗像 惠: "Dicopper Complexes Derived from 4-Amino-2,1,3-benzothiadiazole with Versatile Coordination Number and Geometry" J.Chem.Soc.,Dalton Trans.・9. 1499-1502 (1998)

  • [文献書誌] 宗像 惠: "Self-assembly of Copper(I)and Silver(I)Complexes with Square Grid and Channel Structures." J.Chem.Soc.,Dalton Trans.・7. 1121-1125 (1998)

  • [文献書誌] 宗像 惠: "Synthesis and Crystal Structure of Dinuclear Palladium(I)dppm Complex with 4-Mercaptopyridine in the Thione Mode." Inorg.Chim.Acta. 281・. 116-119 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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