研究概要 |
1 5員環アミンの塩である(C_4H_8NH_2)_2MCl_6(M=Sn,Te,Pt)について,^1H NMR,^<35>Cl核四極共鳴(NQR),単結晶X線回折,熱分析(DTA,DSC)および半経験的分子軌道計算を行った。室温における結晶構造を決定し,結晶中におけるピロリジニウムイオンのコンフォメーションならびにコンフォメーション変化に関る運動,固相-固相相転移の機構についての知見を得た。結果の一部(結晶構造,NQR共鳴周波数の温度変化,熱分析)は既にJournal of Molecular Structure(2000)に発表し,他の部分についても現在投稿準備中である。 2 5員環,6員環,7員環アルキルアンモニウム(C_4H_8NH_2^+,C_5H_<10>NH_2^+,C_6H_<12>NH_2^+)について非経験的分子軌道法(ab initio MO法及びDFT-HF MO法)を用いて,各イオンの安定構造および遷移状態の構造とそのエネルギーを計算した。5員環アルキルアンモニウム(C_4H_8NH_2^+)はシクロペンタン(C_5H_<10>)と異なりC2型が安定であり,Cs型は鞍点になることを見出した。この結果についてはZeitschrift fur Naturforschung(2000)に発表した。6員環,7員環アルキルアンモニウムについての結果も現在国際雑誌への投稿を準備している。 3 6員環および7員環アミンの塩である(C_5H_<10>NH_2)_2MCl_6,(C_6H_<12>NH_2)_2MCl_6(M=Sn,Te,Pt)について,単結晶X線回折,熱分析(DTA,DSC)を行った。室温における結晶構造を決定し,結晶中におけるC_5H_<10>NH_2^+,C_6H_<12>NH_2^+のコンフォメーションならびに固相-固相相転移についての知見を得た。得られた結果については学会発表ならびに国際雑誌への投稿を準備している。
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