研究課題/領域番号 |
10440210
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
荒殿 誠 九州大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20175970)
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研究分担者 |
池田 宜弘 福岡女子大学, 人間環境学部, 助教授 (30211030)
瀧上 隆智 九州大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40271100)
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キーワード | ベシクル / ベシクル-ミセル転移 / 界面活性剤混合系 / 相図 / 示差走査熱量計 / 界面熱力学 |
研究概要 |
(1)デシル硫酸ナトリウム-臭化デシルトリメチルアンモニウム混合系の会合体形成濃度を、活性剤の組成の関数として表面張力法により決定した。結果を相図として表し、臨界ミセル濃度、臨界ベシクル形成濃度と溶液組成およびミセル組成、ベシクル組成との関係を定量的に明らかにした。また光散乱法や凍結TEMなどにより自発的ジャイアントベシクル形成が確認された。 (2)示差走査熱量計(DSC)により、自発的ジャイアントベシクル形成の熱挙動を明らかにすることにした。複雑な相挙動解明のためには、単純物質系の相図の作成によりDSCの実験操作と結果の解析が必要であるとの立場から、テトラデカン-ヘキサデカン系を選び測定した。複雑なサーモグラフの解析から、四つの共融点と五つの固溶体領域をもつ相図を作成した。また同じ系の体積挙動も測定し、液体状態では全組成領域で理想混合するが、固体状態では非理想的であることを明らかにして、界面活性物質2成分混合系の膨張膜と凝縮膜での分子の混和性との相関に関する情報が得られた。これらの実験操作と結果の解析を自発的ジャイアントベシクル形成に発展させる準備が進行中である。
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