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1999 年度 実績報告書

スピロ[3.3]骨格を有する高配位典型元素化合物の創製と新規反応の創出

研究課題

研究課題/領域番号 10440212
研究機関東京大学

研究代表者

川島 隆幸  東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (80011766)

キーワードhomoーBrook転位 / スピロビ[1,2ーオキサシレタニド] / スピロビ[1,2ーオキサセレネタン] / スピロビ[1,2ーオキサテルレタン] / スピロ[3.3]骨格 / オキシラン生成 / X線結晶構造解析 / 高配位典型元素化合物
研究概要

1.初年度報告した三価のビス(β―ヒドロキシアルキル)ホスフィンの二つのヒドロキシ基の酸素とリンとの間の相互作用は単純化したモデルの理論計算を行った結果、酸素の孤立電子対とリン-炭素結合のσ*軌道相互作用として理解できることが分かった。2.Martinリガンドを有する5配位1,2―オキサシレタニドの3位の置換基の異なる化合物を合成し、プロトン源存在下の熱分解を検討した。その結果、3位の置換基の崇高さとプロトンの酸性度によって、初年度検討した5配位スピロビ[1,2-オキサシレタニド]と同様にhomoーBrook転位生成物を与えることが分かった。3.本年度計画の1,5-ジオキサ―4λ^4―セレナスピロ[3.3]ヘプタンは計画通り合成に成功した。ビス(フェニルチオメチル)セレニドからLDAにより脱プロトンし、ヘキサフルオロアセトンを反応させた。これを繰り返し、Se(CH(SPh)C(CF_3)_2OH)_2のdl体およびmeso体を合成した。これらをトリエチルアミン存在下、臭素を作用してセレン上で酸化的環化を行い、目的の化合物のtransーtrans体およびcisーtrans体を得ることができた。これらの熱分解では二分子の相当するオキシランと単体セレンを与えることが分かった。フェニルチオ基をフェニル基に換えた化合物はtrans―trans体のみ合成でき、X線結晶構造解析にも成功した。4.スピロビ[1,2-オキサテルレタン]の合成についてセレン化合物の合成法を適用したが、目的の化合物の合成には至らなかった。そこで、PhSCHPhC(CF_3)_2OHを調製し、リチウムp,p'―ジ―t―ブチルビフェニリドによりフェニルチオ基を還元的に脱離し、相当するジリチオ体、LiCHPhC(CF_3)_2OLiを発生させ、TeCl_4と反応させることで、低収率ながら目的の化合物の合成に成功した。以上のように、本研究計画は計画通り遂行できた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Satoshi Inagaki: "Gauche Conformers Relatively Stabilized by the Hypercoordination"Organic Letters. 1・7. 1145-1147 (1999)

  • [文献書誌] Kenji Naganuma: "Control Factors of Reaction Modes of Pentacoordinate 1,2-Oxasiletanides, the Peterson Reaction and Homo-Brook Rearrangement"Chemistry Letters. 1999・11. 1139-1140 (1999)

  • [文献書誌] Takayuki Kawashima: "Formation of a 1,3,2,4-Dioxadiborinanide, a Novel Bron-containing Heterocycle, by Hydrolysis of a Tetracoordinate1,2-Oxaboretanide and Its Crystal Structure"Organometallics. 18・24. 5180-5182 (1999)

  • [文献書誌] Takayuki Kawashima: "Advances in Strained and Interesting Organic Molecules"JAI Press. 41 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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